騙されないための「たった1つの方法」とは?
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】“騙されやすい人”と“騙されにくい人”の決定的な違いPhoto: Adobe Stock

騙されないための「たった1つの方法」とは?

「騙されないためのたった1つの方法」という、とっておきの方法を紹介したいと思います。

それは、とてもシンプルなことです。「わかりやすく、短絡的な話に飛びつかない」。これに尽きます。

「短絡的な話」に潜む危険性

例えば、詐欺師の常套句に「これさえやれば儲かる」というものがあります。もしそれが本当なら、その他人に教えずに、まず自分自身がそれをやればよいはずです。それに、みんながそれを実践して儲かってしまったら、世の中の経済は成り立たなくなってしまいます。

つまり、「これをやれば儲かる」という話は、それが完全に嘘でなかったとしても、少なくとも「それを聞いた誰もが儲かる」という意味では、広い意味での「嘘」を含んでいるのです。

騙されやすい人というのは、まさにこうした「短絡的でわかりやすい情報」にすぐに飛びついてしまう傾向があります。

「謳い文句」と「悪意」を見極める

もちろん、世の中にある「わかりやすい言葉」がすべて悪というわけではありません。例えば、「このお肉は安くてうまいですよ」といった宣伝文句(キャッチコピー)は、日常に溢れています。

本当に危険なのは、「悪意を持って」そのわかりやすさが利用される場合です。悪意のある人も、人を騙すために「これさえやれば大丈夫」という短絡的でわかりやすい言葉を使います。

ですから、私たちは「わかりやすい話」に出会ったとき、すぐに飛びついてはいけません。

「よく調べて、よく聞いて、自分で考える」

これさえできていれば、人は格段に騙されにくくなります。

「短絡的な話」を鵜呑みにしていないか

もし、ご自身が「今、騙されているかもしれない」と思ったら、その「短絡的な話」を安易に鵜呑みにしていないか、立ち止まってください。

世の中は、そんなにシンプルにはできていません。もしシンプルなら、誰も悩んだり苦しんだりしていないはずです。とはいえ、情報を発信する側も、あまりに正直すぎると誰にも見てもらえない、というジレンマがあります。

例えば、「儲けるために必要な様々な要因について、これから1時間だらだらとお話しします」というタイトルの動画を、進んで見たいと思う人は少ないでしょう。

情報を見極めるのは「あなた自身」

人は困っているときほど、「これさえあれば救われる」というシンプルな言葉に救いを求め、飛びついてしまいがちです。世の中の情報の多くは、注目を集めるために「わかりやすく短絡的な言葉」をまとっています。

それ自体が即座に悪なのではありません。大切なのは、「その情報を吟味し、取捨選択するのは、他の誰でもない『あなた自身』である」と自覚することです。それができれば、騙されることは確実に減っていきます。

世の中で「騙された」という人の多くは、結果として、何らかの「短絡的な話」に安易に飛びついてしまった人たちなのですから。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。