日経平均は最高値更新中だが、物価上昇は止まらず、実質賃金は減り続けている。ひたすら節約するのも、とことん働き続けるのも疲れはてた。一体全体、資産形成の「戦略」をどう変えたらいいのか?
そんな中、「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているのが、お金の「戦書」である『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』(ニック・マジューリ著)だ。そして今回、全世界待望の続編『THE WEALTH LADDER 富の階段──資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略』が日本上陸。世界14ヵ国以上で翻訳されたベストセラーは、6つの資産レベルに分けた「富の階段」で、お金持ちになれる人の「共通点」と「落とし穴」を説いたお金の「戦書」だ。スコット・ギャロウェイ(『一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』著者)も絶賛する本書について、ライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【一発アウト】一生を台無しにする夫婦の絶対NG行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

資産形成に成功した人ほど危ない

仕事が順調で、収入も右肩上がり。
投資の勉強もして、資産も順調に増えている。

一方で、妻との関係はあまりうまくいっていない。

何か話しかけられても、「疲れているから」ですませてしまう。
休日は投資の情報収集やゴルフのつき合い。

家族との時間は「余裕ができたらつくる」とずっと先送りにしていた。

株価の変動には「敏感」なのに、妻の表情の変化には「鈍感」だった。
ポートフォリオは定期的に見直すのに、夫婦関係は一度も見直さない。

資産形成に夢中になるあまり、パートナーとの関係をおろそかにしてしまう人は少なくない。

不満が積み重なった結果、その関係は静かに崩れていく。
そして、ある日突然、「離婚したい」と告げられる。
慌てて話し合おうとしても、もう遅い。

多くの場合、財産分与で資産は半分になってしまう。
何年もかけて築いた資産が、一瞬で消えてしまうのだ。

資産を増やすことに成功しても、それを守れなければ意味がない。

お金の世界的ベストセラーの教え

14か国以上で翻訳されている世界的ベストセラー『THE WEALTH LADDER 富の階段』の著者ニック・マジューリはこう述べている。

まずは、パートナーを理解すること。
そして何より、自分自身を理解することだ。

――『THE WEALTH LADDER 富の階段』(P.259)より

本書によると、結婚が失敗する理由は、
自分が何を望んでいるかわかっていない
自分の望みを表現できない
の2つだという。

「なんとなく気が合うから結婚した」という人は多いが、
その先の具体的なビジョンを共有できている夫婦は驚くほど少ない。

しかしパートナーシップを適当にすませてしまうと、
のちに大きな代償を支払うことになる。

「金融商品」より「副業」より大切なものとは?

投資の世界では「分散投資」が常識であるのに、
人生で最も大きな経済的契約である結婚には、ほとんどの人が無防備だ。

本書を読んで気づいたのは、
時間をかけてお互いを理解する努力こそが、
私生活でもお金の面でも最大のリターンをもたらすということだ。

どんな金融商品を選ぶより、どんな副業を始めるより、
まずパートナーとの関係に投資すべきだ。

月に一度、30分の対話でいい。
お互いが何を望んでいるか、何を大切にしたいか。

それを確認し合うだけで、離婚による資産損失リスクは大幅に減らせる。

幸せな関係を築くための努力は、遠回りに見えて、
実は最も効率的な投資だということを本書に教えてもらった。

(本稿は、『THE WEALTH LADDER 富の階段』に関する特別投稿です。)