世の中にはお金に関する情報があふれています。例えば将来のために資産形成するとして「話題のNISAをやってみよう」「貯蓄型の保険がいい」など、いろいろな情報を聞くととりあえず試してみたくなる、という方は多いのではないでしょうか。しかしお金を増やすために、情報のほかにもう一つ大切なことがあります。それは、行動の「順番」です。(家計再生コンサルタント 横山光昭)
世の中には、お金を貯める方法や仕組みに関する情報があふれています。どれを選んでどう活用するかは、その人の考え方や暮らし方、資産状況等により決まります。中には、「とりあえずやっている」ことで満足してしまう人もいます。
物事を始める姿勢としては悪くありませんが、時々立ち止まり、振り返ることも必要です。取り組んでいることのメリット・デメリットを考え、それが自分に合っているのか、手数料を払ってでも価値があるかなどを意識しないと、バラバラで一貫性のない行動になってしまいます。それは家計管理でも同様です。
貯金の難しさと不適切な資産形成
「貯金をしたい、財形貯蓄を引き出さずに暮らせるようになりたい」と、会社員のSさん(39)と同じく会社員の妻(38)が相談に来られました。目的は、家計改善と資産形成です。
Sさんご夫婦には、ほとんど貯金がありません。二人暮らしで、食費や家賃、水道代や光熱費といった共有の家計費はそれぞれの収入から出し合っています。手元に残るお金は各自が管理していますが、毎月、ほぼ残らない状況です。ご夫婦それぞれの通帳残高を合算しても、20万円ほどしかありません。