オープンAIのサラ・フライアーCFOPhoto: Nikki Ritcher for WSJ
急拡大する人工知能(AI)は、利用者にとって日常的なものから存在論的なものまで、さまざまな深い疑問を投げかけている。その中でもAIが多くの仕事を奪う可能性や、個人に過度に干渉するリスクへの対応方法は、最も差し迫った懸念となっている。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のテクノロジー・メディア担当編集者のサラ・クラウスは、米オープンAIのサラ・フライアー最高財務責任者(CFO)にインタビューを行い、AIの巨人がこれら二つの疑問についてどのように考えているか質問した。以下はカリフォルニア州ナパバレーで開催されたWSJ主催「テックライブ」での対談の抜粋(WSJの親会社であるニューズ・コープは、オープンAIとコンテンツ契約を結んでいる)。
ヒューマンファクター(人的要因)
WSJ:毎週のようにホワイトカラー職の仕事がなくなり、大規模なレイオフがAIの名のもとに行われているという見出しを目にする。企業のAI導入は、仕事を奪っていると感じるか?
フライアー氏:カスタマーサクセスのような分野では、そのようなことが多く見られる。チャットボットは人間を介さずに対応が可能だからだ。だが他の多くの分野では、AIが人間の作業を加速させていると感じる。
私自身の財務チーム内では、より単調で記録を振り返るような分析業務がAIによって多く削減され、洞察が必要な業務により迅速に人員を配置している。
一例を挙げると、全CFOは実際の財務データを取得し、それを予想と比較する「フラックス」と呼ばれるものに対処しなければならない。これは数百の項目を比較する作業だ。







