コンサルのキャリア論写真はイメージです Photo:PIXTA

一定のキャリアを積んだコンサルタントが「コンサルタントとして独立する」ことが増えてきた。コンサルティングファームに残るか、独立の道を選ぶか。判断する上で押さえておきたいポイントについて解説する。(ExSeed代表取締役 奥井 亮)

独立すべきか、ファームに残るか
コンサルのキャリアの考え方

「独立か、残留か」――。

 コンサルタントのキャリアにおいて、この問いはかつて以上にリアルな選択肢となりつつあります。

 近年では、事業会社への転職や起業といったいわゆる「ポストコンサル」のキャリアも珍しくなくなってきましたが、コンサルタントとしてのキャリアを続ける場合であっても、ファームで昇進してパートナーを目指すという従来の王道ルートに加え、「個人コンサル」「ファームの立ち上げ」「プラットフォームを活用したフリーランス」など、多様な選択肢が出てきているのです。

 その背景には、クライアント側の価値観の変化があります。

 かつてはファームのブランドが重視されていましたが、今は“誰に頼むか”という「個の力」への評価が高まっています。また、スタートアップや中小企業など、従来はコンサルへの依頼が一般的でなかった企業でも、オンラインツールやマッチングサービスを通じて専門性を気軽に活用できる環境が整ってきました。

 一方で、コンサルタントとしては、ファームに残ることで得られる経験やナレッジ、案件のスケールといった恩恵も依然として大きいといえます。

 キャリア戦略は一層複雑化し、どちらが正解かは一概に言えない時代に突入しているのです。

 今回は、独立と残留、それぞれのメリット・リスクを整理しつつ、揺れる市場の中で中長期的にどのようなキャリアの軸を持つべきかを掘り下げます。