コンサルティング会社に仕事を任せた経験がない人の中には、「自社で優秀な人材を雇えばいいのでは?」「高いお金を払って頼む必要があるのか?」と考えている人もいるだろう。だが、コンサルは企業の課題解決のプロであり、クライアントが享受できるメリットは少なからずある。また、案件の成果を最大化するには、依頼者の側にもコンサルとの適切な付き合い方が求められる。その両方について、自身もコンサル出身であり、コンサル業界の転職事情・キャリア形成に詳しいヘッドハンターの奥井亮氏が解説する。
なぜコンサルは重要なのか?
コンサル出身のヘッドハンターが解説
コンサルティングファームにプロジェクトを依頼すると、3~4人程度の小規模なプロジェクトであっても月数千万円以上かかることも珍しくありません。
コンサルタントにプロジェクトを任せたり、一緒に仕事を進めたりした経験のない人からすれば、「自社で優秀な人材を雇って進めた方がよいのでは」と思うかもしれません。
ではなぜ、企業は高いフィーを払ってまで、コンサルティングファームにプロジェクトを依頼し続けるのでしょうか。
最初に、クライアント企業にとってのコンサルの価値について整理してみます。
企業がコンサルにプロジェクトを依頼するパターンとして、半年などのスポット(単発)でのプロジェクト依頼が挙げられます。
例えば、新型コロナウイルス禍におけるリモート環境の整備などがこれに当たります。コロナ禍の初期には、多くの企業が早急にリモート環境を整備する必要に迫られました。
リモート環境の整備と一口に言っても、対面で行っていた業務フローを見直すだけでなく、評価制度や組織のあり方や運用を再設計するなど、対応は多岐にわたる上、それぞれに専門性も必要です。
このように、難易度が高かったり社内リソースでは時間がかかったりしてしまう課題については、コンサルにプロジェクト依頼をするケースが多いです。他にも、新たな法整備や規制への対応や、新規事業立ち上げの市場調査やパイロット(実証事業)などもスポットでのプロジェクトテーマとして挙げられます。
もちろん、スポット以外にもプロジェクトはありますが、短期間で成果が求められるプロジェクトにはコンサルタントの価値が凝縮されています。