自分が金持ちだったら、こんな小さな出費は気にしないのに――。そう思った瞬間こそ、あなたは“金持ちになれない思考”にハマっている。世界的話題作『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』が教えるのは、資産を増やす以前に「お金の使い方」を見直すことの重要性だ。今回は、本書から、散髪代を支払うのさえためらったという世界的な資産家の驚くべきエピソードとともに、その真理を紐解く。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「小さな支出」を軽視する人は、一生金持ちになれない
私たちは、日々の生活のなかで小さな出費を積み重ねている。仕事帰り、ついコンビニで1000~2000円を気軽に使ってしまうことも少なくない。
物価高の今、レジに行って「こんなに高いの!?」と驚くこともよくある。そのたびにこう思う。
「自分がお金持ちだったら、こんな小さな支出は気にせずに過ごしていけるのにな~」と。
しかし、実際はその逆だ。本当の金持ちほど、小さな支出を気にしているのだ。『アート・オブ・スペンディングマネー』には、次のような、世界的に有名な投資家ウォーレン・バフェットのエピソードが紹介されている。
「50万ドルを、そんなことのために使っていいのだろうか」
バフェットはよく友人にそう話しながら、少額の支出をためらったという。
――『アート・オブ・スペンディングマネー』より
バフェットほどの資産家が、散髪代を支払うことすらためらっていたというのは驚きである。
このエピソードを逆にとらえれば、「小さな支出を気にしていない人ほど、金持ちになれない」ということだ。大きな買い物には慎重になる人も多いが、小さな支出を軽視する人ほど、金持ちへの道は遠のく。
小さな支出は、素早く蓄積され、莫大な損失を招く
『アート・オブ・スペンディングマネー』では、次のような一文も紹介されている。
――『アート・オブ・スペンディングマネー』より
私たちは、「お金の増やし方、貯め方」にばかり目を向けがちだ。しかし、お金を増やすためには「使い方」にこそ目を向ける必要があるのかもしれない。
(本原稿は、『アート・オブ・スペンディングマネー 1度きりの人生で「お金」をどう使うべきか?』(モーガン・ハウセル著・児島修訳)に関連した書き下ろし記事です)





