【解説】基礎があるからこそ「応用」が火を噴く
多くの投資家はいきなり「一番儲かる方法」を知りたがりますが、著者が警鐘を鳴らすように、基礎(バリュー株投資)を飛ばして応用(シクリカルバリュー株投資)に手を出すのは危険です。
なぜなら、シクリカル投資は「本来の企業価値」を正しく見定める物差しを持っていないと、単なる高値掴みで終わるリスクがあるからです。地味な計算の積み重ねが、ここ一番でのビッグトレードを支えるのです。
「待ち時間」を利益に変える二段構え
投資家にとって最も退屈で、かつ焦りが生まれるのが「チャンスがない時期」です。特に景気循環を狙うシクリカル投資は、タイミングが来るまで数年待つこともあります。
その間に資金を遊ばせるのではなく、いつでも狙える「バリュー株」で着実に利益を積み上げる。この「機会損失を出さない二刀流」のスタイルこそが、精神的な余裕と資金効率の最大化をもたらします。
爆発力と安定感を両立する「黄金比」
利益の8割をシクリカルで稼ぎ、残りの2割を堅実なバリュー株で稼ぐ。この比率は、「ホームラン狙い」と「ヒット狙い」の理想的な使い分けを示しています。
常にフルスイングするのではなく、普段は堅実に塁に出ながら、絶好球(景気の底)が来たときだけ全力で振り抜く。このメリハリこそが、億り人への最短ルートと言えるでしょう。
※本稿は『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









