「最近、なんだか顔が疲れて見える」「むくみやすくなった」「肌の透明感がなくなった」――。
それ、年齢のせいではなく“血の滞り”=瘀血(おけつ)かもしれません。
東洋医学では、血が滞って老廃物がたまると、細胞が酸欠状態になり、肌も筋肉も“老けスイッチ”が入ると考えます。
つまり、見た目年齢を決めるのは、スキンケアよりも“血の流れ”なのです。
「自力整体」指導者の矢上真理恵さんの新刊『すっきり自力整体』では、そんな“血の流れ”を整えるワークを多数紹介。
自力整体とは整体や鍼灸の技法をもとに、自分で体を整える人気のセルフケアメソッド。「寝つきが良くなった!」「朝、顔がすっきり!」「体がぽかぽかする!」といった声が多く寄せられています。
今回はその新刊から、“老けの元”=瘀血を1分で流す簡単ワークをご紹介しましょう。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

“老け”が進む、意外なスイッチとは? 【整体プロが教える1分若返りワーク】

「なんだか老けた気がする」は、“瘀血”が関係しているかも?

 鏡を見て「顔がくすんで見える」「疲れて見える」と感じるとき、体の中では“血のめぐり”が滞っている可能性があります。

 東洋医学では、血が滞り、老廃物がたまった状態を「瘀血(おけつ)」と呼びます。

 この瘀血は、老化や不調を進める見えない要因のひとつ。
 血の流れが悪くなると、酸素や栄養が全身に行き渡りにくくなり、代謝が落ちて、肌のハリやツヤが失われることも。

 また、肩や腰のコリ、冷え、月経トラブルなどにもつながることもあります。

 つまり、「最近、老けた気がする」「疲れが抜けない」という感覚の裏側には、この“瘀血”が関係しているかもしれません。

“老け”をゆるやかにするカギは、“力を抜くこと”

 瘀血を流そうと、マッサージや運動をがんばる方も多いかもしれません。

 けれど、じつは「力を抜くこと」こそが、流れを戻す近道。

 筋肉が緊張してこわばると、血管が圧迫されて流れが滞りやすくなります。
 反対に、ふっと脱力すると、経絡(けいらく・気血の通り道)が自然に開き、血液やリンパの流れが整いやすくなると考えられています。

 つまり、「がんばるほど流れが止まり、ゆるめるほどめぐりが戻る」というのが東洋医学的な考え方。

 日常の中で、意識して力を抜く時間をもつことが、“若さ”を保つ秘訣になるかもしれません。

ゆるめてめぐりを整える「腸腰筋ほぐし」のワーク

 そこでおすすめは、新刊『すっきり自力整体』で紹介している、ゆるめて瘀血を流す「腸腰筋(ちょうようきん)ほぐし」のワーク

 腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐ深部の筋肉。
 ここがこわばると、骨盤まわりの血流が滞り、冷えやくすみにつながることも。

 逆にゆるめることで血行促進。体の中心から温かさが広がり、顔色まで明るくなります。

 実践は、下の画像を参考におこなってみましょう(※画像は書籍『すっきり自力整体』より抜粋)。

“老け”が進む、意外なスイッチとは? 【整体プロが教える1分若返りワーク】
“老け”が進む、意外なスイッチとは? 【整体プロが教える1分若返りワーク】

 ◎「腸腰筋ほぐし」のワーク

【手順1】
 ◆うつぶせから上半身をおこし、体を前後にゆすり、お腹をほぐす。数回繰り返す

【手順2】
 ◆両脚を腰から左右交互に倒す。数回繰り返す

【手順3】
 ◆脚を開き、両足先をそれぞれ回しながら、骨盤を左右にゆらす。両足先で円を描くよう。数回繰り返す。しばらく回したら逆回転

 POINT:足首を回しながら骨盤を左右に動かし、さらに腸腰筋の緊張をほぐす

 時間に余裕のある方は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」も瘀血をしっかり流します。

※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。