年齢を重ねると、鏡に映る自分の「丸い背中」にハッとする瞬間が増えてきます。
じつはこれ、単なる姿勢の問題ではなく、“見た目年齢”をいっきに上げるサインだと言われています。
そんな「加齢による骨格のくずれ」を、自分の手で整えられる方法をまとめたのが、矢上真理恵さんの新刊『すっきり自力整体』。
整体や鍼灸の理論をもとに開発された「自力整体」は、全国で約1万5000人が続けている人気メソッドです。
「ぐっすり眠れた!」「慢性痛がラクに」「朝の目覚めが変わった!」――そんな声が多く届く理由は、“骨格そのものを元に戻す技術”にあります。
今回は新刊から、猫背・老け見えを解消する朝の若見え習慣を紹介します。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

「背中が丸い=老け見え」は痛みや不調の入り口!?
背中が丸いと、実年齢よりも5~10歳ほど老けて見えると言われます。
理由はシンプルで、胸がつぶれ、首が前に出て、下向きのシルエットになるから。
この姿勢が続くと、呼吸が浅くなり、肩コリ・腰痛・疲労感などの不調にもつながります。
さらに厄介なのは、姿勢を正しても「気がついたら元に戻っている」こと。
これは、胸の筋肉やお腹まわりが縮み、骨格が固まっているサインです。
“背筋が驚くほどまっすぐな人たち”の秘密
一方、自力整体のナビゲーターをされている60~80代の方々は、背すじが驚くほどすっと伸びています。
見た目年齢マイナス10歳は当たり前で、登山・ダンス・旅行を楽しむ“活動的なシニア”が多いのが特徴です。
その秘密は、骨格を自分で元に戻す習慣があるからです。
背中を若々しく見せる3つのポイント
背中を若々しく見せるには、じつは「背中の筋肉」だけでは足りません。
ポイントは次の3つです。
【1】胸が開くこと
丸い背中の原因は、胸まわりの筋肉(大胸筋・小胸筋)が縮んでいること。
ここが硬いと、どれだけ背中を伸ばしても前に引っ張られてしまい、数分で元通りに。
【2】肋骨(胸郭)の位置が正しいこと
胸郭が下がると背中が丸くなり、肩が前に巻き込みます。逆に胸郭が“ふわっと上がる”と、自然と背すじが伸び、見た目がいっきに若返ります。
【3】背中をやさしく支える筋肉が働くこと
肩甲骨まわり、背骨を支える深層筋(脊柱起立筋、多裂筋)、下腹のインナーユニット(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群)がしっかり働くことが大事。
これらの条件が整えば、頑張らなくても姿勢が整います。
背中が若返る! 「胸郭の位置調整」のワーク
そこで新刊から、筋トレが苦手な方でも続けられる、いちばん簡単なワークを紹介しましょう。
朝起きたら、タオル1本あればOK。
たった1分で、
・縮んだ胸の筋肉がゆるむ
・肋骨が本来の高さに戻る
・背すじが自然と伸びる
・呼吸が深くなる
といった変化が期待できます。
実践は、下の画像を参考におこなってみてください(※画像は書籍『すっきり自力整体』より抜粋)。

◎「胸郭の位置調整」のワーク
【手順1】
◆タオルを両手でつかんで、深呼吸しながらバンザイ
ひじは軽く直角。胸に空気が入るのを感じながらゆっくり吸う
【手順2】
◆両腕を後ろへ引いて、胸をぐーっと開く
POINT:胸郭を正しい位置に戻す意識でおこなう
時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」もしっかり骨格を整えおすすめです。
※『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。






