しかし、まだ中学年の段階だったため、私は焦らず「難しい教材だから仕方ない」と気持ちを落ち着け、あえて関与を少なくしていました。そして、4年生直前の春期講習からは、別の首都圏の大手進学塾に通い始めました。

 このように子どもの個性や環境によって塾に入るベストタイミングというのは「いつ」と断定が難しいのが正直なところです。

・お子さんの現状の学習状況

・ご家庭のサポート可能な時間

・目指す学校レベル

 これらによって、最適なスタート時期は変わってくるといえるでしょう。

 ただし、遅すぎる入塾は子ども本人が大変な思いをすることになります。一般的な中学受験のカリキュラムは、4年生(3年生の2月)からスタートします。遅くともここからスタートできる準備はしておくといいでしょう。最近は、その1年前の2年生の3月から入塾を推奨する風潮もあるようですが、この年齢での入塾がよいかどうかは、その子のキャパシティ次第だと思います。焦らず、最適なタイミングを見極めましょう。

低学年での早期入塾の
メリット・デメリット

 早期入塾の最大のメリットは、「学びのリズム」をいち早くつかめることです。たとえば、小学1年生の秋、算数の新単元に初めて触れたとき、お子さんが好奇心にあふれ、一生懸命ノートに書き写す姿を想像してみてください。子どもたちは早期入塾で、学ぶ楽しさを味わいながら、自然に授業の進め方やノートのまとめ方、質問の仕方を体得できます。

 また、4年生から飛び込むより、土台がある分、安心感があります。さらに、周囲に同じ目標を持ち頑張る仲間がいるという環境に低学年の頃から身を置くことで、「みんなについていこう」「自分も頑張ろう」という前向きな気持ちが芽生えやすくなります。

 しかし、その一方で、早期入塾には気を付けたい点もあります。まだ体が小さい子どもにとっては体力、集中力の消耗は生活に大きく影響します。慣れない塾へ通い、学校の教科書とは全くちがうテキストと向き合う中で疲れてしまい、夕食や風呂の時間が大幅に後ろ倒しになり、生活サイクルが乱れることがあります。また親の負担も少なくありません。