スマホやPCに向かう時間が長くなった今、
「首が短く見える」「顔まわりが重たい」「なんとなく疲れて見える」
といった“老け見えサイン”がホルモンバランスの変化や筋力の低下がはじまる40代の女性の間でじわじわ増えています。
自力整体の指導者・矢上真理恵さんによると、こうした悩みの多くは、姿勢の乱れによる肩・胸・背中のこわばりと、そこから生じる浅い呼吸が原因なのだそう。
「まずは自分の無意識の緊張に気づくだけで、見た目はぐっと変わりますよ」と矢上さん。
こうした悩みを根本から整えるためのメソッドをまとめたのが、矢上さんの新刊『すっきり自力整体』。整体・鍼灸の理論をベースに、全国で約1万5000人が実践している人気メソッドです。
今回はこの新刊から、とくに“姿勢若見え”に効果的なワークをピックップしてご紹介します。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗 構成:依田則子

【整体プロが指南】40代から“老け見えする人の共通点”3選

“気づかぬ老け見え”3選

 最近、とくに増えているのが「肩がいつも上がっている人」。
 鏡を見ると首が短く見えたり、顔まわりが重たく見えたり……。
 こうした“気づかぬ老け見え”には、次の3つの共通点があります。

 1 肩が耳の近くで固まっている
 スマホやPC時間が長いと肩がすくんだまま固定。
 その結果、首が太く見え、フェイスラインもぼやけがちに。

 2 背中が丸まり、胸がつぶれている(猫背)
 胸まわりが縮むと、自然と猫背に。
 呼吸が浅くなり、疲れ顔・やつれ感が加速します。

 3 肋骨が動かず、呼吸が浅い
 肋骨が硬くなると呼吸が小さくなり、全身のめぐりまで低下。
 むくみやだるさが“抜けない体”に。

 共通点は、どれも“呼吸の浅さ”に行き着きます。

 深く吸って吐くだけで肩がふっと下がり、背すじも自然に伸びるもの。
 最近、写真うつりが気になる方は、まず「肩と呼吸」をチェックしてみてください。

老け見え姿勢リセット! 「呼吸筋ほぐし」のワーク

 肩・胸・背中が硬くなると、呼吸が浅くなり、“老け見え姿勢”が固定されてしまいます。

 そんなときに役立つのが、肋骨まわりをゆるめて呼吸を深くする自力整体「呼吸筋ほぐし」のワーク

 レッスンでも「背すじが伸びた!」「肩が軽くなった!」「呼吸がしやすくなった!」と感動の声が多く、とても効果実感の高いワークです。

 実践は下の画像を参考におこなってください(※画像は『すっきり自力整体』より)。

【整体プロが指南】40代から“老け見えする人の共通点”3選
【整体プロが指南】40代から“老け見えする人の共通点”3選

 ◎「呼吸筋ほぐし」のワーク

【手順1】
 ◆背中側でタオルをつかみ、両手首に巻き付ける

【手順2】
 ◆肩甲骨をぐーっと寄せる

【手順3】
 ◆次に、ひざを曲げて腰を落としたら

【手順4】
 ◆頭は動かさず、肩甲骨を寄せながら、腕を左右にゆらす。数回繰り返す

【手順5】
 ◆次に、腕と体を伸ばしたら

【手順6】
 ◆肩甲骨を寄せて、体を前に倒す。ひざはすこし曲げる

【手順7】
 ◆両腕を頭の向こうへ倒し、腕を前後左右にゆらす。数回繰り返す

 ★終わったら頭からゆっくりおこす

 時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。

『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。