独自の特許技術を生かし、環境対応、省エネルギーに貢献する商品を生み出す

揚げ物鍋やフライヤーに入れるだけで、食用油の寿命を延ばすプレートや空気清浄機など、独自の特許技術を活用した環境対応製品や省エネルギーに貢献する製品の開発に注力する企業がある。群馬県高崎市のサトカンパニーだ。(取材・文/大沢玲子)

 同社を1986年に立ち上げ、取締役社長を務める茂木佐登志氏は、74年より学校向けの体育器具を手がける茂木体育器(96年に株式会社化)の代表取締役も兼任する。

独自の特許技術を生かし、環境対応、省エネルギーに貢献する商品を生み出す取締役社長・茂木佐登志氏

「サッカーゴールやハードルなどの体育器具から、金属の加工技術を生かし、公園遊具やサイン(案内板)、その他、機械全般製作へと事業を拡大しつつ、その傍らで利益率の向上が望める直販モデルの事業の構築を模索してまいりました」と茂木氏。

 そこで、かねてから関心を持っていたクリーンエネルギーについて独学で研究を進める中、事業化を目指し、サトカンパニーを設立。「まずは自身の経験を踏まえ、天ぷらを胸焼けせずにカラリと揚げ、かつ油の寿命の長期化を実現する製品を作れないかと考え、開発をスタートしました」と言う。

食用油の酸化を抑制する
「長持ちくん」を開発

 約3年間の試行錯誤を経て、作り上げたのが冒頭で挙げた食用油の酸化抑制を実現するプレート「長持ちくん」だ。

 同製品の基軸となる油活性能力(酸化抑制力)については、非常勤講師として携わった金沢大学と連携し理論を確立した。異種金属や鉱物間の電位差を利用し、「発生した微弱電流発生体(ナノテクビームイオン)と微弱磁界、微弱遠赤外線などを油に作用させることで、分子の細分化、揚げ物の水分の分離を促し、酸化を防ぐ仕組みになります」(茂木氏)。