その性能については、金沢大学と長野県工業技術総合センターにおいて、食用油そのままと、「長持ちくん」を入れた食用油の酸化度の比較検証を実施し、酸化抑制力があるという評価を得た。ナノテクビームイオン理論については、特許を取得(後に実用新案、商標登録)している。
食用油の酸化抑制力を持つプレート「長持ちくん」。大学など公的機関の試験データからも酸化抑制効果が証明されている
展示会などへの出展を通じて認知度向上を実現し、オンラインを中心に販売。「昨今では食用油の高騰などを受けて、個人の飲食店からの引き合いも増えています」と茂木氏。油量や用途に合わせてラインナップも拡充し、市場拡大をもくろむ。
さらにナノテクビームについては、杏林大学と共同開発をした空気清浄機「ナノテクビーム」も開発。パチンコチェーン店で臭気対策として導入された実績を有する。
優れた独自技術を持つ
「1社1技術」に選定
2006年には群馬県の中小企業の優れた独自技術を選定する「1社1技術」企業にも選ばれ、ナノテクビームの活用範囲を模索する中、20年には金属イオンの力で自動車の燃費向上、パワーアップが期待できる「パワーゴールドカード」を開発・販売した。
「1社1技術」企業選出など表彰も
もともと車が好きで、趣味で自動車レースなどに出場してきた茂木氏自身の経験を踏まえて生まれたものだ。カードに貼付したアルミニウムと銅の電位差を利用し、発生する金属イオン(ナノテクビーム)により燃焼効率を高めることで、燃費の改善や加速の向上が見込めるという。燃料の完全燃焼に近づけることで、排気ガスの臭いも軽減され、環境負荷低減にもつながるとする。
今後も世界的に進む再生可能エネルギーの導入や、自動車燃料の動向、産業機械の省力化ニーズの高まりなど、環境の変容を見据え、「世の中のためになる製品開発に取り組んでいければと考えています」と語る茂木氏。
新たな製品開発に果敢に挑む同社の今後のチャレンジに期待したい。
(「しんきん経営情報」2025年12月号掲載、協力/高崎信用金庫)
事業内容:環境対応製品、省エネルギーに貢献する製品の製造・販売など
従業員数:1人
所在地:群馬県高崎市吉井町小暮540
電話:027-320-4100
URL:nanotech-beam.com/nagamochi-plate







