社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を紹介します。
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知らないものは、目標にできない
目標設定には、一つ矛盾があります。
私たちは、自分が知っている範囲の中からしか目標を立てられません。遠い将来の理想像を描いても、それは現時点での知識と価値観に基づいたものです。
でも考えてみてください。今この瞬間に存在していない仕事、サービス、ライフスタイルが、5年後、10年後には当たり前になっているかもしれません。
今必死に目指しているものより、もっと魅力的な選択肢が、来年には登場している可能性もあります。
「10年後に◯◯となる」という目標を決めたとしても、今の自分が知らないだけの、その◯◯よりもっといいものと出会う可能性もあります。
10年後には、その◯◯は存在していないかもしれません。
存在していたとしても、時代遅れの価値のないものになっている可能性もあるのです。
無理に立てた目標は、あなたを前に進ませない
変化の速度は加速し続けています。
数年前に立てた計画が、今も同じ価値を持っているとは限りません。
むしろ、環境の変化に気づかず古い計画に固執することで、新しいチャンスを見逃してしまうリスクがあります。
もちろん、計画を立てることで前進する人もいます。ただし、それは計画そのものに力があるからではなく、その計画にワクワクしているからです。
目標を楽しく作れるのなら、いいのです。
でも苦しんで目標を絞り出すくらいなら、目標なんて持たなくていい。
そのエネルギーを、今興味があることに向けてください。
新しい体験に飛び込んでください。
まだ見ぬ世界に一歩踏み出してください。
目標の有無に関わらず、自分の好奇心に従って動いていれば、充実した未来が待っています。
*本記事は、『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)の著者しずかみちこさんによる書き下ろしです。




