社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を紹介します。
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飽きっぽいのは悪いことじゃない
「私、すぐに飽きてしまうんです」
そう悩む人がいます。でも、興味が移ることは決して悪いことではありません。
それは好奇心が旺盛な証拠です。世の中には面白いことがたくさんあって、あなたの心はそれに反応している。それだけのことです。
何の役に立つか分からないことでも構いません。片っ端から試してみてください。
単品では意味がなさそうなことでも、後になって何かと組み合わさり、思いがけない価値を生むことがあります。
ただし、1つだけ守ってほしいこと
飽きっぽくても大丈夫。でも、1つだけ大切なことがあります。
それは、取り組んでいる間は、真剣に向き合うことです。
数日で興味が移っても構いません。数時間、いえ数分間でもいい。
その短い時間、本気で没頭してください。
周りからどう見えるかは気にせず、その瞬間だけは全力で楽しんでください。
「長さ」ではなく、「深さ」が重要
心に残るかどうかは、取り組んだ時間の長さでは決まりません。どれだけ深く向き合ったかで決まります。
義務感で何年も続けたことより、夢中になった数時間の方が、確実に心に刻まれます。
表面的に流した経験は消えていきますが、集中して取り組んだ瞬間は記憶に残り、あなたの一部になるのです。
積み重ねが化学反応を起こす
こうして心の中に様々な体験を積み重ねていくと、ある日突然、それらが化学反応を起こします。
以前取り組んだことと、今興味があることが結びつく。思いもよらないアイデアが生まれる。一見バラバラだった経験が、意外な形で繋がっていく。
飽きっぽくても大丈夫。
真剣に向き合った瞬間の積み重ねが、あなたを前に進ませます。大切なのは継続の長さではなく、その瞬間の濃さなのです。
*本記事は、『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)の著者しずかみちこさんによる書き下ろしです。




