「そこで言い返さんと一生変わらんで」…億り人の説教が、投資の核心すぎた
投資歴70年 資産24億円――【プロの儲かる知識を簡単インストール】人生、もう詰んだ……40歳、しがないサラリーマン。月1万5000円の小遣いを握りしめ、毎日通勤する日々だ。増えない給料、重くのしかかる住宅ローンと教育費。冷え切った家庭に、もはや自分の居場所はない。そんな人生のどん底の状況で拾った、1冊の古びた手帳。それが投資歴70年、資産24億円を築いた89歳現役トレーダー・シゲルさんとの奇跡的な出会いだった。お金、仕事、家庭……すべてに絶望した崖っぷちの男が“投資の神様”から授かった「世界一のお金と人生の授業」とは？“小説形式”だからスラスラ読めてドンドンわかる話題の書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものをお送りする。答えはすべて、この物語にある。
写真：川瀬典子
自己肯定感を粉砕する「とどめの一撃」
「それに君、押しも弱そうやしな」
何も言っていないのに、とどめまで刺された。僕は中古自動車の営業マンをしているが、パッとしない。
お客の気持ちもわからなければ、押しも弱い。じゃあ僕のいいところって、いったいどこなんだ。
怒りすら湧かない「真理」の重み
「……返す言葉もありません」
「そこで返さんと、一生変わらんで」
グサリと刺さる。けれど、これも不思議と腹は立たなかった。妙に納得できてしまうのは、この人の言葉に、経験に裏打ちされた説得力があるからだ。
すべての日常は「投資」に通ず
「せっかく営業の仕事してるんや。ええ機会やと思って、ちゃんと勉強してみ」
「はい！」
「返事だけはええな」
【解説】「日常」こそが最強の練習場
シゲルさんの「そこで返さんと、一生変わらんで」という一言は、単なる精神論ではなく、投資家として成功するために不可欠な「自律心」を説いています。
多くの人は「仕事は仕事、投資は投資」と切り離して考えがちです。しかし、目の前にいるたった一人のお客さんの心理さえ読み解けないのに、顔の見えない何万人もの投資家がひしめく株式市場の心理を読み解くことができるでしょうか？
シゲルさんが言わんとしているのは、「本業で培ったスキルや人間観察眼は、そのまま投資に活かせる」ということです。営業で顧客のニーズを深読みする癖をつけること、事務作業でミスなく処理する規律を守ること。これら日々の仕事への姿勢が、そのままチャート分析や資金管理の精度に直結します。
「いい人」を卒業し、決断する勇気を
また、「押しが弱い」という指摘も重要です。投資の世界では、自分の判断に責任を持ち、時には市場の多数派に逆らってでも「買う」「売る」という決断を下さなければなりません。
ただ流れに身を任せるだけの「いい人（受動的な人）」は、相場においてはカモにされるだけです。損切りすべき時に決断できず、利益確定のチャンスを逃してしまうからです。
投資で人生を変える、その前に
「一生変わらんで」という言葉の裏には、「行動を変えれば、未来は変わる」というメッセージが込められています。まずは本業という身近なフィールドで、相手の心理を読み、自分の意志を通す訓練をしてみましょう。
仕事の成果が上がると同時に、投資家としての「相場観」も磨かれていく。そんな好循環（シナジー）を生み出すことが、兼業投資家である私たちの最大の強みになるはずです。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものです。
