圧倒的に優秀というわけではないのに、なぜかみんなに頼られ、チームから好かれる人。
あなたの周り、そんな気になる人がいないだろうか? そこでお薦めしたいのが、400以上のチームを見た専門家が「仲間と協力して大きな成果を出せる人の特徴」をまとめた『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)という本だ。「他人と仕事をするうえで忘れてはいけない大事なことを教えてくれる」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

「職場の仲間に好かれる人」は仕事で“できないこと”があったときにどうする?Photo: Adobe Stock

仕事で「できない」とは言ってはいけない?

 仕事では、「弱みを見せてはいけない」「できないと言ってはいけない」と思い込んでしまう人が少なくありません。しかし、完璧なふりをして抱え込み、結果としてミスを広げたり、周囲の信頼を失ったりすることもあります。

『チームプレーの天才』にも、こう書かれています。

全員が全部を頑張る必要はありません。なぜならチームなのですから。
――チームプレーの天才』(222ページ)より

「できないこと」を開示し合う

 では、チームで仕事をしていて自分が「できないこと」に直面したとき、いったいどうすればいいのでしょう。『チームプレーの天才』では、こう提案されています。

自分たちができること、できないこと、他者に期待することなどを開示し合い、お互いに助け合う。
――チームプレーの天才』(223ページ)より

「できない」とわかるから、助けられる

 仕事仲間に好かれる人ほど、できないことを隠しません。その効果について、同書はこう説明しています。

メンバーそれぞれが「できること」「できないこと」がわかり、お互いに期待する役割がイメージしやすくなります。「自分の足りない部分は、この人に補ってもらおう」「その代わり、この部分は自分が貢献できそうだ」など、適切な内容、タイミングで協力を仰げるようになり、その後の活動が円滑に進みます。
――チームプレーの天才』(222ページ)より

 できないことを認めて開示すると、周囲の人が“助けやすくなる”のです。大事なのは、自分の能力の“範囲”をチームに示すこと

「どこを頼ってほしいか」
「どこが苦手で、助けてもらいたいか」
「どんな場面なら自分が貢献できるか」

 これらが共有されているほど、チームの空気は柔らかくなり、協力が自然に生まれます。

 当然、あなたが困っているときに誰かが助けてくれれば、次はあなたが返そうとしますよね。こうして、助け合いの循環がチームのなかに生まれていきます。

チームで好かれるのは「できないと言える人」

 “できないこと”を隠すのは、賢明に見えてチームを弱くします。反対に、できないことを開示できる人は、周囲を巻き込み、自然と信頼を集めます。つまり、「自分のナレッジ(できること・できないこと)を開示できる人」こそ、仕事仲間に好かれる人なのです。

 あなたがもし「もう少し周りとうまく働きたい」と思うなら、今日からぜひ、“できないことを言える勇気”を持ってみてください。それこそが、職場で愛される人のたった1つの共通点なのです。

(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)