いま世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっているのが『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

【選択の技術】三流は「悩み続ける」、二流は「答えを探す」、では一流は?Photo: Adobe Stock

答えがないのに、探し続けていたニート時代

 3回目のニート。
 雇用保険の受給終了まであと1か月を切ったとき、焦りが止まらなくなった。
 東京での一人暮らしもそろそろ限界で、実家に戻ることが頭をよぎった。

 時間だけはたくさんあったので、毎日派遣サイトを眺めるのがその頃のルーティンになっていた。でも、どれもピンとこない。

「週5・9時‐17時・通勤アリで、この給料?」
「リモートがいいけど、好条件がない」

 まだマシな求人を見つけても、「こんなふうに妥協して決めても、結局すぐに辞めそう」と思考がぐるぐる回る。
 また翌日、同じサイトを開き、同じことを考える。

 結果、何も決まらず、焦りだけが募っていった。

世界的ベストセラーの教え

 この年始も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)はこう述べている。

多くの人は、自分の思考が行動にどう影響しているか、その行動が人生にどう影響しているかを把握していない。
なかには何が行動のトリガーなのかすらわかっていない。

――『STOP OVERTHINKING』(P.193)より

 まさに、私のことだった。

 なぜ毎日同じサイトを開いてしまうのか。
 なぜ決められないのか。

 当時は自分でもわかっていなかった。

 ただ漠然と「もっといい条件があるはず」と探し続けるだけで、なぜこのループから抜け出せないのか、考えようともしなかった。

 そしてある日、「そもそも、会社員前提で探すのが間違っているのでは?」と気づいた。

「三流」「二流」と「一流」を分けるものとは?

 結局、何も決まらないまま、雇用保険の受給が終わってしまい、意気消沈していた私に、友人から一本の連絡がきた。

 ライターの仕事を手伝ってくれないかという話だった。

 あまりのタイミングの良さに驚きつつも受けることにした。

「これだ」と思える答えは、探しているうちは見つからない。
 同じパターンを繰り返していることに気づき、まったく違う場所に目を向けたとき、初めて道が開けるのだ。

 本書を読んで感じたのは、選択の精度は「思考量」ではなく「視点の切り替え」で決まるということだ。

 三流は「悩み続け」、二流は「答えを探す」。だが、一流は「視点を変える」。

 つまり、目の前の選択肢だけにとらわれず、「そもそも別の方法はないか」と考えるのだ。

 考える場所を変えた瞬間、行動の方向も変わり、状況そのものが動き始める。
 悩む時間を短くして、動く時間を増やす。

 それが、考えすぎのループを抜け出すための一流の「選択の技術」だ。

 悩み続けても、探し続けても答えは見つからない。
 そんなときは、「自分は何を繰り返しているのか」を観察してみるといい。
 そうすると、今まで見えなかった選択肢が浮かび上がってくる。

 安心も、答えも、頭の中ではなく「視点を変えた瞬間」に動き出すのだ。

(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)