中東有数の親米国であるアラブ首長国連邦邦(UAE)は、西アフリカ・マリ共和国で活動する国際テロ組織アルカイダ系「イスラム・ムスリムの支援団(JNIM)」に誘拐された王子の解放に2000万ドル(約31億円)以上を支払った。欧米当局者が明らかにした。JNIMが全面制圧を狙うマリで9月、王子が誘拐された。王子の解放条件には身代金とともに、同国で収監中の数十人のイスラム過激派の釈放も含まれていた。JNIMがマリの首都バマコを包囲する中、資金流入と戦力の増強が行われた格好だ。クーデターが成功すれば、マリはアルカイダ系組織が統治する世界初の国となる。アルカイダは、ケニアとタンザニアの米国大使館を爆破し、ニューヨークでツインタワーを倒壊させ、米国を20年間に及んだアフガニスタン戦争に引きずり込んだ。