<正解>
Dは3勝1敗

 どうでしょう?
 あなたの出した答えは合っていたでしょうか?

 では、解説していきます。

とっかかりはどこにある?

 さて、何から考えていきましょう。

「全員の戦績を表にすればいけるのでは?」

 そう思ってしまいますが、この問題でややこしいのが、全体の勝負数がわからないこと。

 問題文には「相手によっては2回対戦した」とありますからね。

 勝敗が極端なBやCから考えていくのが手っ取り早そうです。

 ただ、Bの成績からわかるのは「全員に勝った」ということのみ。

 それ以上の情報を求めて、Cから考えていきましょう。

全敗のCからわかること

 結果がわかっているA,B,Cのうち、Cにだけある特徴があります。

 Cは4敗しています。

 そう、AとBが自分以外の全員と1回ずつ、合計で3回対戦しているのに対して、Cだけは4回対戦しているのです。

 ということは、Cは誰かと2回対戦しています。

 また、問題文には「お互いにかならず1回は対戦している」とあるため、CがA,B,Dに負けたことは確実です。

 ここでAの成績を見てみましょう。

 “A:1勝2敗”

 つまりAの「1勝」は、Cとの対戦で勝利したことによるものです。

 となると、Aの「2敗」はBとDに負けたことを意味します。

✖️AーB◯
◯AーC✖️
✖️AーD◯

 こんな感じですね。

 ちなみに、Bは3戦して3勝しています。

 これは当然、A,C,Dの3人に勝ったということです。

◯BーA✖️
◯BーC✖️
◯BーD✖️

 これでAとBの対戦相手と成績は確定しました。

残ったCとDの成績は?

 これまでにわかった事実をもとに、Cの成績を考えると、

✖️CーA◯
✖️CーB◯

 まではわかります。

 では、あとの「2敗」は誰に負けたのか?

 A? B?

 ……いえ、可能性は1つしかありません。

 先ほどAとBの対戦相手と成績は確定しました。

 もうAとBの対戦相手は増えようがありません。

 つまり、CがDに2敗することでしかこの成績は成立しません。

✖️CーA◯
✖️CーB◯
✖️CーD◯
✖️CーD◯

 これがCの対戦成績の全体像です。

 よって、Dの対戦成績をまとめると

◯DーA✖️
✖️DーB◯
◯DーC✖️
◯DーC✖️

 となるので、Dは3勝1敗だったと判明します。

「考える」ことに意味がある

 問題に正解できたかどうかは、関係ありません。

 少しでも「頭が働いた」だけで価値があります。

 AIは優れた道具ですが、それに頼りすぎると、思考力は確実に鈍ります。

 だからこそ、「考える力」のみが問われる「論理的思考問題」は、

・矛盾を見抜く
・条件を整理する
・抽象化して考える

 といった“思考の筋力”を取り戻す絶好のトレーニングになります。

 AI時代には、「考える」という行為自体が貴重な体験であり、思考力を維持するためには欠かせないのです。

(本稿の問題は、『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋したものです。書籍では詳しい解説と共に、同様の「考えるだけで賢くなる問題」を多数紹介しています)