「地頭がいいだけ」のコンサルは
どこかで限界を迎える

「コンサル業界で生き残る人」に共通する要素の1つ目は、コミュニケーション能力やネットワーク力の高さである。

 確かにコンサル業界には、東京大学・京都大学といった難関大学を卒業していたり、海外でMBA(経営学修士)を取得していたりする人材が多い。

 コンサルに対して、こうした優秀層が“地頭の良さ” を武器に戦っているイメージを持つ人もいるだろう。クライアントに鋭い質問を投げかけ、そこから得られた答えやデータをもとに課題点を把握し、理路整然としたスライドを作って解決策を提示するという具合だ。

 もちろん、そうした学歴や実務能力も重要ではあるが、それだけで周囲と差別化できるのは現場社員のうちだけだ。管理職やパートナー(共同経営者)へとステップアップしていくには、プラスアルファの価値を示すことが求められる。

 その価値が、上記のコミュニケーション能力やネットワーク力なのである。

 企業変革をリードできるコンサルとして長く活躍するには、日々のやり取りを通じてクライアントに気に入ってもらい、上層部を巻き込んで「○○さんが言うのだから全面的に任せよう」と信頼されなければならない。

 また、コンサル会社でパートナーまで上り詰める人物は、上層部の経営課題を解決できるだけでなく、幅広い業界のキーパーソンとの親交(ネットワーク)を持っていることが多い。

 その上で、「この事業を強化するならこの人が最適です」と外部人材を紹介したり、「この人とこの人を繋げたら面白いものが生まれます」と提案したりすることで、クライアントに新たな視点や成果をもたらすのだ。

 コンサルは自らを“商品”として提供するビジネスだからこそ、ハードスキル(実務能力)だけでなく、このようなソフトスキルも重要なのである。