スライドの作成能力が高く、一見すると優秀そうだ。ところが、いざプロジェクトが始まると、クライアントに価値を提供できない――。残念ながら、ビジネスの世界にはそうしたコンサルが確かに存在する。クライアント側は、どうすればコンサルの「本当の実力」を見極められるのか。コンサル側は、どうすれば「パワポ職人」にとどまらず成長できるのか。独立系コンサルの現役経営者が解説する。(森経営コンサルティング代表取締役 森 泰一郎)
本当に優秀なコンサルは
「顧客に支持される人材」だ
「一流コンサルタントになる方法」「優秀なコンサルの仕事術」といったテーマの書籍は数多い。だが、どんなコンサルが「一流」「優秀」なのかという定義は、その著者によって異なるように思える。
この点について厳しいことを言えば、ビジネスの世界では、一緒に仕事をしたコンサルが優秀か否かを判断するのはクライアントだ。どれだけコンサル会社の中で評価されていても、一緒に仕事をしたクライアントが「バリュー」を感じなかった人材は、本当に優秀なコンサルとは言えないのではないだろうか。
実際、コンサル業界には「スライドや資料の作成能力は高く、優秀そうに見えるけれど、いざプロジェクトが始まると活躍できない人」も数多く存在する。その見極め方に悩んだ読者から、筆者宛に「スライドだけキレイなコンサルと、本当に優秀なコンサルの見分け方を知りたい」とご質問をいただいたこともある。
そこで今回は、筆者の経験をもとに、「優秀な(=顧客から支持される)コンサル」と「そうではないコンサル」の違いについて見ていくことにしよう。