10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、話題になっている。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

「ちゃんと座りなさい」はNG? 今のうちに知っておきたい“焦らない子育て”のヒントPhoto: Adobe Stock

椅子に座っていられない子はどうすれば?

 先日もちょうど同じようなお悩みをお持ちのお母さんが、お子さん(5歳の女の子)を無料体験に連れて来ました。

 お母さんがおっしゃるには、子どもの能力を高めるために、今のうちに何か始めたい。でも、文字や数字を教えようとしても、そもそも椅子に座っていられない。座って何かをやること自体がイヤっぽい。だけど、パズルなら楽しくできるのではないかと思って連れて来たということでした。

 たしかに、きちんと座れるようになるのは、小学生になってからということが多いようです。

 公立の小1だったら、「1学期はみんなが座れるようになればいい」というようなことをおっしゃる先生もいます。
 だから、就学前に「座っていられないんです」と悩まなくても大丈夫ですよ。小学生になって、だんだん学校生活に慣れていけば自然とできるようになります。

 実際、先述のお子さんも、座っていることは難しかったです。
 すぐに「ママ~」と立ち上がったり、足をぶらんぶらんして体をのけぞらせたりして、あまり集中できていないようでした。

 ですので「半年後にまた来てください」とお伝えしました。今、椅子に座っていられない子も、半年たてばできるようになることがよくあります。だから、焦らずにゆっくり、その子のペースに合わせていきましょう。

 ただし、同じように椅子に座っていられない子の中には、ギフテッド系が交じっていることもあります。

「天才パズル」を解きながら歩きまわったり、椅子にのぼったり、「わー!」と声を上げたり。座ることはできないけど、頭はくるくる回転しているのです。もう、喜んじゃって興奮しているんですよね。

 そういう子は、メダリスト候補です。

 椅子に座っていられないとしても、お子さんがどちらのタイプなのかよく見極めてみてください。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。