まず目に飛び込んできたのが、2008年に廃業した「鬼怒川観光ホテル」東館。1953年創業、収容人数約360人の大規模ホテルが、今では廃虚と化している。鉄筋は錆び、窓や壁には落書きが目立つ。心ない侵入者によって荒らされていることが一目で分かる。
2008年に廃業した鬼怒川観光ホテル東館 Photo by Hiroki Maebayashi
鉄筋は錆び、窓や壁には落書きが目立つ Photo by Hiroki Maebayashi
この廃墟は、周囲の現役宿の窓からもよく見えるという。その現役旅館の名前をネット検索すると、「心霊」などのワードも候補として表示される。廃墟が、現役旅館にも悪影響を与えていることが分かる。
さらに北に数百メートル歩くと、鬼怒川で最も有名な廃墟である「鬼怒川第一ホテル」(1956年創業、2008年廃業)にたどり着く。この建物には侵入が相次いだため「立ち入り禁止」の看板が掲げられている。
鬼怒川で最も有名な廃墟「鬼怒川第一ホテル」には「立ち入り禁止」の看板 Photo by Hiroki Maebayashi
その隣も、「きぬ川館本店」(1942年開業、99年に経営破綻、収容人数約350名)が廃虚と化している。名物は「かっぱ風呂」と呼ばれた露天風呂で、玄関にはかっぱの絵も残されていた。しかしここにも落書きがあり、侵入者が多いことを伺わせる。
廃虚となった「きぬ川館本店」 Photo by Hiroki Maebayashi
「かっぱ風呂」が名物だった Photo by Hiroki Maebayashi
ここまで、駅から2kmほど。くるりと振り向き、橋から下流を眺めると、廃墟の全体像がよく分かる。







