顧客と12桁の契約を結ぶことと、それによる収益の実現は全く別の問題だ。「残存履行義務(RPO)」と呼ばれるかつては目立たなかった脚注開示項目は、AI関連株、特にオラクル株に投資している人々の間で特に注目される数字になった。RPOは投資家が認識しているよりもずっと曖昧なもので、オラクル株の最近の急落を説明する一助となる。企業全般におけるRPOの標準的な定義は、まだ収益として認識されていない契約済みの売上高を指す。言い換えれば、経営陣はその売上高が確定したものではなく、実現可能性が高いと考えているということだ。このためRPOは企業の財務諸表には記載されない。それでもアナリストらはその数字を使い、企業の事業に関する予測に役立てている。将来の売り上げの実現可能性を疑い始めれば、アナリストらは企業の先行きに対して懐疑的な見方を強めがちだ。