
――御社の事業内容を教えてください。
山田 福岡市内で鉄工所を営んでいます。私の曽祖父が戦時中に軍事用品の製造を個人で始めたのがルーツで、現在は私の父が3代目の社長を務めています。
戦後は、旋盤やプラズマ切断機などを用いた精密部品の加工を主に手がけてきましたが、2000年頃からは溶接も始め、今や売り上げの柱に成長しました。おかげさまで、大手企業から中小企業まで、100社近いお客さまとお取引させていただいています。
――多くのお客さまに支持されているようですね。御社の強みとは?
専務取締役・山田高裕(やまだ・たかひろ)氏。1994年福岡県生まれ。福岡県立香椎工業高校卒業後、2012年に山田製作所へ入社。21年に専務取締役就任。
山田 まずは若手の技術者が多いことです。精密部品加工や溶接の業界は技術者の高齢化が進んでいることが懸念されていますが、弊社は9人の技術者のうち半分以上を20~30代が占めています。だからフットワークが軽いですし、考え方も柔軟です。「若い技術者さんの方が長くお付き合いできるから」と弊社を選ぶお客さまも少なくありません。
もう一つは、精密部品加工と溶接の両方の技術を持っているので、お客さまのさまざまな要望にお応えできることです。精密部品加工に関しては、切断、曲げ、穴開けなど基本的な加工技術はすべて持っていますし、ステンレスやアルミなど各種金属にも対応できます。溶接に関しても、出張溶接も行っています。技術者が9人いるので、急ぎの仕事や大量生産もお引き受けできますし、一品ものの注文もお受けしています。
このような柔軟なスタンスが広まっていて、「どこに頼んでいいかわからない。山田さんならできるのでは?」とご相談いただくことは多いですね。
――これまで手がけたお仕事の事例をいくつかお聞かせください。
山田 まず溶接では、大手石油会社と年間契約し、塩害で腐食した石油プラントの階段や手すりを補修しています。公共事業では道路のジョイント部分の溶接を手がけていて、沖縄などに出張しました。最近よくお受けするのは、ダンプカーの荷台部分の補修です。砂や砂利を載せることですり減ってしまうので、鋼板を貼って溶接するのです。







