新年から新しい職場に転職される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、3年以内に辞めることになるかもしれない会社の特徴について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

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そもそも離職率が高い会社

「入社してみないと分からない」と言われがちですが、3年以内に辞める確率が高い会社には、入社前から見えるサインがあります。

もちろん辞める理由は人それぞれ。ただ、会社側の構造や姿勢が原因で離職が連鎖しているケースも多いのです。今回は、入社前に見抜きやすい3つの特徴を紹介します。

まず分かりやすいのが、離職率が高い会社です。人が辞める会社には、辞める理由があります。
そして離職率が高い会社ほど、その理由が1つではなく複数重なっていることが多いのです。

・残業が多い
・教育が行き届いていない
・評価が不透明
・配属の当たり外れが大きい

こうした要素が同時に存在すると、個人の努力でどうにかできる範囲を超えてきます。

さらに厄介なのは、離職率が高い会社ほど「辞める前提」で組織が回っていること。新人が新人を教え、場当たり的に回す。結果、育つ前に辞めて、また足りなくなる。

こうしたループがあると、入社後に頑張っても空回りしやすいのです。

離職率が公開されていなくても、ヒントは拾えます。口コミは真偽の判断が難しいので断定材料にはしませんが、傾向を見るには使えます。

また「若手が多い」を強調する会社は、なぜ若手が多いのかを一度考えた方がいいでしょう。定着しているから若手が増えたのか。定着しないから若手しか残っていないのか。ここは大きな分岐点です。

内定後に社員と話す機会を頼んでも作ってくれない会社

次に重要なのが、内定後の対応です。

内定後は企業側が「選ぶ側」から「選ばれる側」に変わるタイミング。この段階で雑に扱われるなら、入社後はもっと雑になる可能性が高いんですよね。

例えば、「実際に働く社員と話して不安を解消したい」と頼んだとします。誠実な会社なら、何らかの代替案が出ます。

・オンラインで30分でも調整する
・座談会を案内する
・難しいなら、理由を説明した上で別の機会を提示する

一方で危ないのは、拒み方が雑な会社です。「入社してから分かります」「配属が決まっていないので」こう言って終わらせるのです。

もちろん個別事情で調整できないケースもあります。ただ、代替案すら出ないなら、現場が疲弊しているか、見せると困る事情があるかのどちらかを疑っていいでしょう。

内定後は遠慮せず聞くべきです。企業にとってもミスマッチは損。だから本当に誠実な会社ほど、確認の機会を歓迎するし、そういう企業の方が信頼できますよね。

「合わなそうかも」と思いながらも入社することを決めた会社

最後はシンプルですが、最も強いサインです。

あなた自身が「合わなそう」と感じている会社。ここを無理に飲み込んで入社すると、3年以内に辞めやすくなります。

就活は内定が出た瞬間に気が緩みます。親も安心する。周りにも報告できる。「これで終わった」と思える。この安心感が、違和感を押し潰すんですよね。

・説明会の空気が合わない
・面接官となんとなく話が噛み合わない
・質問に正面から答えてくれない
・面接官が終始上から目線

こうした小さな違和感は、入社後に積み上がります。大事なのは、違和感を「大手だから」「給料がいいから」で正当化しないこと

やるべきは、違和感の言語化と検証です。何が引っかかったのか。それは入社後に致命傷になりそうか。

その確認に、内定後面談や社員面談を設定してもらうことがおすすめです。それでも違和感が消えないなら、その会社はあなたに合っていない可能性が高いのです。

離職率、内定後の対応、違和感という直感。

この3つを見るだけで、「入社後に離職したくなる会社」はかなり避けられます。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです