特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”から、食品大手を含む22社から内定を獲得し、現在は就活ノウハウの発信を8年間続けている「就活マン」こと藤井氏。その実体験をもとにした著書『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載の一冊です。今回は、SoZo株式会社 代表取締役として活躍しながら、3人の子どもを育て、実際に就活もサポートしてきた『1冊まるごと「完コピ」読書術』著者のあつみゆりか氏との特別対談が実現しました。親からみたリアルな就活の視点から、内定が取れない学生と親御さんに知っておいて欲しいことについて語っていただきます。(構成/ダイヤモンド社・森)

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就活は「壮大な社会科見学」

「就活は壮大な社会科見学です」内定ゼロの学生に知っておいて欲しいこと『1冊まるごと「完コピ」読書術』(PHP研究所)

――12月に入り、ESで落ちたり、なかなか内定がもらえずしんどい時期の就活生も多いと思います。親として、どのようにサポートすべきでしょうか。

あつみゆりか氏(以下、あつみ氏):私なら、「それが落ちたことに対して、何を改善しようとして動いたの?」とPDCAがちゃんと回っているのかを確認しようとします。あまり感情は考えないかもしれません。前に進むにはどうしたらいいか?を考えるサポートをするように心掛けるのがいいかなと思います。

藤井智也氏(以下、藤井氏):親子関係があまり密ではない場合は、「自分の知っている人で採用に詳しい人がいるんだけど、会ってみる?」と聞くなど、行動のきっかけを与えてあげるのが良いと思います。拙著『脇役さんの就活攻略書』のように、会話形式になっている就活本も、親子で一緒に読むことで「ここどう思う?」といったディスカッションのきっかけになります。そういうことまで考えて、会話形式で読みやすい本にしたんです。

インタビューする力を鍛える

――内定選考の過程では、質問力も非常に重要視されますよね。

藤井氏:はい。面接の最後の「何か質問はありますか」という場で、ほとんどの就活生は1段階の質問しかしないです。しかし、質問力がある人は、その回答に対して「それってこういうことですか?」といったように、もう1段深掘りした質問をぶつけるんです。これは質問力がないとできない、重要なテクニックです。

あつみ氏:インタビュー力を鍛えることは、就活において重要です。誰でもアクセスできる情報だけでは足りず、一時情報を自分で取りに行く、つまり足で稼ぐしかない。例えば、その会社の営業の人に話を聞きに行ったり、「こういう会社のこういう職種の人を探している」と友達や先輩に素直に言い回ると、誰かが繋いでくれるものです。

――逆質問で度胸を示すのも有効ですね。藤井さんは就活生の時に人事部長に直接商品改善のアイデアを提案されたと。

藤井氏:はい。聞かれ慣れた無難な質問ではなく、自分は底辺なんだから、あと上がるしかないというマインドで、東大生に勝つためにやりました。極端な話、積極的な行動によって嫌われても良いんですよ。「何の印象にも残らない」よりもマシだと思いました。だからこそ、面接が終わったあと、すぐに手書きで自分の言葉で書いたお礼状を送るってこともしてましたね。とにかく記憶に残すために。

仕事は楽しんだ者勝ち

――では、最後に、これから社会に出る就活生へ、最も伝えたいメッセージをお願いします。

藤井氏:就活で人生は決まりません。大学生の時は「大手からの内定=人生ハッピー」と思っていても、実際に入ってみると「あれ?想像と違うな」と、想像と違ったり、そもそも価値観自体も変わっていきます。いい意味でも悪い意味でも、就活で人生は決まらないので、就活の結果だけで自分を評価しないようにして欲しいと思います。

あつみ氏:私は、仕事は楽しいよ、楽しんだ者勝ち、ということです。就活は壮大な社会科見学じゃないですか。企業の人と「どんな仕事をしているんですか」というインタビューが公的に許されている時期は今しかありません。それを楽しんでほしいです。人って楽しんでやってるものって絶対結果が出るんですよ。その成功体験があれば、仕事もきっと楽しめるようになると思います。

(本稿は、『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』の著者・藤井智也氏と、『1冊まるごと「完コピ」読書術』の著者・あつみゆりか氏への対談インタビューをもとに構成したものです)