北海道の市がトップ3を独占
札幌は道内各地の食が集まる「宝箱」
1位は札幌市(36.7%)だった。札幌市の特徴は、特定の一品だけで語れないところにある。ジンギスカンや札幌ラーメン、スープカレーなどに加え、道内各地の海産物や農産物、加工食品が集まり、発進されているというイメージが定着している。
続く2位は函館市(26.3%)、3位は小樽市(26.1%)と、北海道勢が上位3位を独占した。
4位の福岡市(25.8%)は、博多とんこつラーメンや辛子明太子、もつ鍋が代表格だ。屋台文化も知られるが、とくに博多ラーメンと辛子明太子をあげる人が多かった。
5位の宇都宮市(24.8%)、8位の喜多方市(20.6%)、9位の松坂市(20.4%)に共通するのは、料理名そのものが地域名と結びついていることだ。宇都宮餃子、喜多方ラーメン、松坂牛という看板が、街のイメージをかたちづくっている。
「飛び抜けて有名な料理が1つある地域は、それだけで評価の軸が定まる。イベントや情報発信を通じて名物を磨き続けてきたことが、安定した支持につながっている」(田中社長)。
「食事がおいしい市区町村」という評価は「都道府県」同様、固定されたものではない。話題づくりや情報発信、新たな取り組みを続ける街ほど、評価が動きやすい。
次はどの市区町村が評価を伸ばすのか……。ランキングの変化そのものが、日本の食文化の移り変わりを映し出している。
(フリーライター 西嶋治美)







