全国的なブランド米を持つ新潟の2市
話題性と取り組みが順位に影響

 6位の魚沼市(23.0%)、11位の南魚沼市(19.6%)は、米を中心に食文化を築いてきた地域だ。魚沼産コシヒカリや南魚沼産米は全国的なブランドとして定着しており、雪解け水や昼夜の寒暖差といった自然条件が、食の価値を高めている。

 また、魚沼市では、「魚沼市食でつながる元気なまちづくり推進計画」を掲げ、へぎそばや豚“生”もつ焼きなど、地域独自の食文化と結びつけた発信を行っている。

 南魚沼市も近年、「ガストロノミー」を観光コンテンツとして位置づけ、食を軸とした地域振興に力を入れている。米沢市では、米沢牛に加え、米沢ラーメンなど新たな取り組みも評価につながった。

 田中社長は、「米価格の高騰を背景に、米どころの価値が改めて見直されている」と指摘する。

 一方で、個別の魅力がありながら、順位が伸び悩む地域もある。

 田中社長は、「市区町村単位では魅力があっても、食のイメージが広く共有されていない場合、ランキングには反映されにくい。「食事がおいしい」というのは、食べてみたい食事がイメージできるか、という結果であると思う」と分析。

「食事がおいしい市区町村」という評価は「都道府県」同様、固定されたものではない。話題づくりや情報発信、新たな取り組みを続ける街ほど、評価が動きやすい。

 次はどの市区町村が評価を伸ばすのか……。ランキングの変化そのものが、日本の食文化の移り変わりを映し出している。

 次ページでは、トップ20位について、各市区町村を代表する料理や食材、食品を、筆者が独自に整理した表を紹介する。