トキ、キスをゆるす

「わかりました。もう嘘、つくない。疲れました。ごめんなさい」

「わたしもごめんなさい。気づいてあげられなくて。正直に話してくださってありがとうございます」

 なんだこの麗しい関係は。

 朝ドラではよく、謝らない、お礼を言わないと視聴者の批判を買うが、『ばけばけ』は謝るし、お礼も言う。

 仲直りして、食事。ナイフとフォークを使って、ステーキを食べる。

 高石あかりのおいしそうな顔。目がおいしいと物語っていた。

「また来ましょう、パパさんママさん連れて」

 ヘブンはほんとうにやさしい人だ。わがままで短気な面もあるが。

 うれしいトキ。そのときだ。

「え、その赤いの」

 肉を食べたヘブンの口元に昨夜のような赤いものがついていた。

 ケチャップだったのだ。

「なんだ」とトキは安堵(あんど)して、ついつい笑ってしまう。

 翌朝、トキは、出勤するヘブンにキス(ただし頬)を求める。

 見ないふりする錦織(吉沢亮)、司之介(岡部たかし)、フミ(池脇千鶴)、永見(大西信満)。

 口紅浮気疑惑から西洋文化の料理とキスへ。ベタだけどうまくまとまっている。

 その後、ヘブンの引っ越し祝いと引っ越しお礼に、松野家が手作りの机を贈るのもいい。

 これでヘブンの仕事が捗りだした。西洋料理とキスと机がヘブンを生き生きとさせた。日本の生活や文化に倣うのもいいけれど、日本人だって、少しは歩み寄らないと。