新婚なのに夕飯も食べずに…行先不明の「新郎の密会」に新妻のイライラが止まらない〈ばけばけ第73回〉『ばけばけ』第73回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第73回(2026年1月14日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

「娘の分も幸せにのう」

 リヨ(北香那)からの結婚祝いは下駄(げた)だった。

 さっそく履いてみろと、リヨの父・江藤(佐野史郎)に勧められ、ヘブン(トミー・バストウ)は畳の上で履いて、おぼつかない足取りになり、ひっくり返ってしまう。

「立ちくらみ」と誤魔化(ごまか)すヘブン。「日本大好き」「日本人」と豪語している手前、下駄が履きこなせないとは言えないかもしれない。

 主題歌が流れる。「毎日難儀なことばかり♪」ヘブンの難儀はまだ続く。

 主題歌明け。江藤が帰りがけに、シャチホコをプレゼント。

 お城にあったもので「大変由緒あるもので、気に入って我が家の庭に置いちょったんですが、ヘブン先生の方がふさわしいと思いましてのう」と聞いて、すばらしいとヘブンは大喜び。下駄よりも由緒ありそうなシャチホコがうれしいようだ。

 今回はリヨより江藤のほうが贈り物上手だった。

 帰り際、「頼んます」と声に力を入れ、ヘブンに会釈する江藤。

 ヘブンを「松江の、島根の、いや日本の宝」とたたえる。

 さらにトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)には「娘の分も幸せにのう」と優しい言葉をかけた。

 ヘブンが日本に残ってくれることで松江がよくなると江藤は信じているのだろう。

「では参ろう」とまるで花道を通って去るような調子の江藤。まさか、これで退場なのだろうか。

 この間、『あさイチ』にも出ていたし(プレミアムトークではないが)、気になる。いいキャラなのでまだまだ出てほしい。

 その後、ヘブン宅には続々と一般市民がやって来るようになった。皆、思い思いの祝の品を携えて。

 着物を着て、正座して対応し、お魚料理の差し入れに、箸を使って小骨をとって食べる。

 それをみんなが喜んで見ている。なんだか動物園の珍しい動物のようにも見えてくる。