ドナルド・トランプ大統領が就任以降に打ち出した政策は一貫せず、世界を混乱に陥れている Photo:Bloomberg/gettyimages
2025年の世界経済はドナルド・トランプ米大統領の支離滅裂な言動と政策に振り回されてきた。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは、「トランプ大統領の考え方」。黒田氏が読み解くトランプ大統領の思考法と、米中間選挙に向けて打ち出す可能性がある次なる政策とは?
言動や政策が支離滅裂のトランプ大統領
裏には一貫した考え方がある?
ドナルド・トランプ大統領は2025年1月に就任して以来、外交・安全保障政策や経済政策について、これまで米国が築き上げてきた世界経済秩序や安全保障体制を破壊するような発言や政策を打ち出し、世界を混乱に陥れている。
しかも、当初主張していたこととは違う政策を打ち出したり、実施した政策をひっくり返したりして、世界中で不確実性を高めている。
しかし、思い付きで発言したり、政策を打ち出したりして支離滅裂に見えるトランプ大統領の背後には、一貫した考え方があるように思われる。
それを理解すれば、驚く必要もないし、対応策も考えられると思う。
そこで今回は、米国を取り巻く経済状況などから、トランプ大統領の考え方を読み解いてみたい。なお次ページ以降で記す内容はそのための試みであり、トランプ大統領の考え方を支持するものではない。







