『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
三田紀房の受験マンガ『ドラゴン桜2』を題材に、現役東大生(文科二類)の土田淳真が教育と受験の今を読み解く連載「ドラゴン桜2で学ぶホンネの教育論」。第116回は、受験シーズンにおける「人間関係と距離感」について考える。
受験の伴走者としてオススメなのは…
龍山高校の生徒たちはいよいよ大学入試センター試験(現在の大学入学共通テスト)に挑戦する。東大を目指す文系エースの小杉麻里は、会場で貧乏ゆすりをしている生徒を注意したりと気丈夫な様子を見せたが、東大理系を目指す天野晃一郎は、LINEの返信を返さなくなった。
入試前後の人間関係は、受験生にとって切っても切り離せない話題だ。過度に気を遣ってしまうあまり、会話が空回りしてしまうこともある。特に、入試の直後に安易に結果を聞くようなそぶりを見せてしまうのはよくない。「自信があるから自分の聞いているのかな?」「自分にとっては難しかったけど、他の人にとっては簡単なのかな」と変に勘繰ってしまう。
この時期はお互いに連絡をとるコストが高いだけに、天野のように「返信がこない」というだけで気を揉んでしまう。誤解を解くとなるとなおさらだ。「受験は団体戦」と言われることもあるが、受験生同士で余計なやり取りはしないのが賢明だろう。
とはいえ、この時期をたった1人で走り切るのは精神的に辛いものがある。個人的にお勧めなのが、受験に関係ない知り合いになんでも相談することだ。私は、推薦入試で入学が決まった友達に成績やメンタルの相談をすることで、気を紛らわせていた。
もうすでに入学が決まった人たちから今受験している人たちに声をかけることは、気を遣ってしまうだろうから、自分から積極的に「声をかけてほしい」とアピールすることが大切だ。
小学生に深読みさせる「親のささいな一言」
『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
大学受験となると受験生自身も人間関係に成熟しているから、多少のトラブルは乗り越えられるかもしれない。ただ、中学受験だとそうも言ってられない。友達が難関校を受けるという噂が広がっただけでも、本人は気にしてしまう。
中学受験における塾や学校での人間関係は、時に勉強の成果以上に受験結果に響きかねない。私の周りでは、中学受験の模試で全国2位になったことがある人が、塾の人間関係のトラブルが原因で開成中学に落ちてしまったことがある。中学受験では、志望校や模試の結果をむやみに友達に言ったり聞いたりしないのが賢明だ。
また、親同士の人間関係も見捨てられない。特に中学受験をする親同士の何気ない会話から、お互いの子どもの受験校が自然とわかってしまうこともある。「○○君は××中学を受けるらしいね」という親の一言でさえ、プレッシャーになるかもしれない。親目線では遠慮して発言したつもりでも、子どもはかえって深読みしてしまう。
育児マンガなどでよくみる(?)親同士のマウント合戦は日常的にあるわけではないけれども、「親に恥をかかせないために頑張る」というのがモチベーションになると、成績や体調を隠すようになる人も出てくるだろう。
今まで友達だった人が合格を争うライバルになるという経験を、小学生にはそう簡単に受け入れられるわけではない。友達と変になれ合ったりせず、1人(+家族、先生)で戦う姿勢を親が率先して見せることが求められるのではないだろうか。
『ドラゴン桜2』(c)三田紀房/コルク
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