個人投資家の間で大きな支持を集めるのが『株トレ』シリーズです。シリーズ第2弾の『株トレ ファンダメンタルズ編』では、60題のクイズを通じて「業績や財務の読み方」を学べます。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株で勝てる人が「決算の中で真っ先に確認する1つの数字」Photo: Adobe Stock

業績で最初にチェックすべき数字とは?

 企業の決算を見るとき、多くの人はまず、こう考えるのではないでしょうか。

「増収か減収か、増益か減益か?」

 もちろん、それも重要な視点の一つですが、本書の中で、窪田さんは次のように語っています。

「利益率が高いか低いか?」「利益率が上昇しているか、低下しているか?」私はまず、そこから見ます。なぜならば、そこに企業の「利益を生み出す力」が表れているからです。――『株トレ ファンダメンタルズ編』より

 投資家たちは過去の実績に投資するのではなく、将来を見据えて投資します。たとえ実績がよくても、今後ビジネスが悪化する兆しがあれば、資金を引き上げていきます。

 一方で、足元の業績が多少振るわなくても、将来性があり、成長が期待できる企業には、投資家が集まります。

 大切なのは、「一時的に儲かったかどうか」ではなく、「長く、安定して利益を生み続けられる体質かどうか」を見極めることです。

収益基盤が改善している会社はどっち?

 ここで、少し考えてみてください。

 次の2社の業績を見比べたとき、収益基盤が改善しているのは、どちらの会社でしょうか。

株で勝てる人が「決算の中で真っ先に確認する1つの数字」

営業利益率の変化に着目する

 注目するポイントは、営業利益率の推移です。

 E社を見ると、2021年~2023年は増収増益でしたが、営業利益率は低下しています。そして2024年には、減収減益に転じました。

 F社を見ると、2021年~2023年は減収だったものの、営業利益率は上昇しています。2024年には、増収増益を実現しました。

この変化の意味とは?

 2021年~2023年の期間では、E社のほうが順調に見えたかもしれません。しかし、営業利益率が示す意味を考えると、まったく異なる姿が浮かび上がります。

 E社は増収増益でしたが、収益性は低下し、会社の中身は次第に「メタボ体質」へと変化していたのです。

 一方のF社は、業績が厳しい時期に不採算事業を整理し、効率よく利益を生み出す筋肉質な企業に変わっていました。その差が、2024年の結果として、はっきりと表れたのです。

 決算書に並ぶ数字は、単なる結果報告ではありません。そこには、「この会社がこれからどうなっていくのか」を読み解くヒントが詰まっています。