元フィデリティ投信の投資調査部長を務めた著者であるポール・サイさんが「S&P500」の3倍超という驚異的なリターンを生んだ米国株の投資術を初公開! ポール・サイさんが株価低迷期にエヌビディアを買い、成長を見抜けたのは、企業に潜む“成長のストーリー”を見抜いたから。初の著書『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』では、そんな、成長ストーリーの読み解き方から、銘柄選びの極意、買いのタイミング、暴落時の対処法、リスク管理までを体系的に解説。さらに、厳選した“10倍株”候補の8銘柄も特別公開! 新NISAで投資を始めた人、日本株から米国株へとステップアップしたい人に最適な、“米国株で勝つための決定版”だ。今回は、その『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』から、AIはバブルでなく、まだまだ伸びる理由について抜粋し解説する。
(Photo: Grispb/Adobe Stock)
ChatGPTの登場で
世界が変わった!
現在進行している「AI革命」は、2022年11月にOpenAIがChatGPTを公開したことをきっかけに、一気に世界的な注目を集めました。多くの人にとって、AIが身近な存在として意識されるようになったのは、この出来事が大きな転換点だったと言えるでしょう。
もっとも、AI研究そのものは、ChatGPTの登場によって突然始まったものではありません。AIは長年にわたり研究が続けられてきた分野であり、いま起きている変化は、技術の蓄積が臨界点を超え、社会実装のフェーズに入った結果だと考えられます。
私自身、ChatGPTの登場を予想して特定の銘柄を推奨したわけではありません。ただ、ChatGPTが世に出る以前の段階から、AIの重要性、そしてAIを支えるGPUの戦略的価値については強く認識していました。その背景には、私がかつて学んだカーネギーメロン大学の同窓会で聴いた、AIに関する講義があります。
AI研究の聖地で気づいた
最先端講義で見えた“質的転換”
カーネギーメロン大学は、コンピュータサイエンス分野で世界トップクラスの評価を受けている名門校であり、AI研究においても世界を代表する拠点の一つです。同大学に人工知能研究所が設立されたのは1957年で、現代AI研究の黎明期からその中心的役割を担ってきました。
私はその母校の同窓会で、コンピュータサイエンス学部によるAIに関する講義を聴く機会がありました。最先端の分野でありながら、長い研究の歴史と蓄積を背景にした内容は、非常に説得力のあるものでした。
その講義を通じて、私は「今回は違う」と強く感じました。それまでの私は、AIを高度な統計処理やデータ分析の延長線上にある技術だと捉えていました。しかし、最新のAIモデルはそうした枠を明らかに超えており、人間の知的活動そのものに踏み込みつつある存在だと理解するようになったのです。
また、AI開発においてGPUが果たしている役割の重要性についても、改めて深く認識しました。AIの進化はソフトウェアだけでなく、計算資源というハードウェア基盤と密接に結びついているのです。
悲観があるから伸びる
AIはまだ「未完成の巨大市場」!
現在のAIを巡っては、「AIはすでにピークを打ったのではないか」「期待が先行しすぎているのではないか」といった懐疑的な見方も一定数存在します。少しでもネガティブなニュースが出ると、AIピークアウト論がメディアで取り上げられることもあります。
しかし、私はこうした懐疑論が存在すること自体を、むしろ健全だと考えています。世の中には常にネガティブな意見を述べる人がいますし、悲観的な見通しは、外れたとしても大きく責任を問われることはありません。一方で、もし当たれば「ほら、言った通りだ」と評価されるため、ネガティブな議論は常に一定数存在するものです。
実際、私の友人の中にも、現在のAIに懐疑的な見方をしている人がいます。彼は不動産関連のプライベート・エクイティ・ファンドのパートナーで、テクノロジー業界の人間ではありませんが、インターネット黎明期からその可能性に注目していた人物です。
その彼でさえ、「AIはまだ実用的な用途が限られているのではないか」と感じていると言います。コールセンターではAIが音声を認識しても単純な要件処理がうまくいかないことがあり、自動運転もまだ完全には普及していない。こうした現状を見ると、AIの可能性に疑問を抱く気持ちも理解できます。
ただ、私は、AI懐疑派が一定数存在することこそが、AIというテーマがまだ成熟しきっていない証拠だと考えています。技術が完全に社会に溶け込み、当たり前の存在になったとき、人々はもはやその是非を議論しなくなるからです。
AIの進化スピードは、これまでの技術革新と比べても極めて速いものです。半年ごとに大きなブレークスルーが起きており、この流れは一過性のブームとは明らかに異なります。
現在のAIの発展段階をインターネットの歴史になぞらえるなら、1990年代後半、インターネットが一般に広がり始めた頃に相当すると考えています。当時は通信速度も遅く、一部の人が熱中する技術にすぎませんでした。しかし、その後の技術進化によって、インターネットは社会を根底から変える存在になりました。
AIも同様に、これから5年、10年という時間をかけて、社会のあらゆる領域に浸透していくはずです。私は、いま進行しているAI革命は100年に一度レベルの構造変化であり、その本当の影響が顕在化するのは、これからだと考えています。
※本稿は『台湾系アメリカ人が教える 米国株で一生安心のお金をつくる方法!』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









