慢性的な痛みがつらい。疲れが抜けない。以前より太りやすくなった――。その不調の原因は、体の「冷え」と「硬さ」にあるかもしれません。こうした悩みを根本から整えるのが自力整体。整体や鍼灸の技法を自分自身に行うセルフケアメソッドで「慢性的な痛みがラクになった」「ぐっすり眠れるようになった」など、喜びの声も数多く寄せられています。
新刊『すっきり自力整体』では、東洋医学の考え方をベースに、痛みや不調を根本から整える方法をわかりやすく解説。
今回は、40代女性が3ヵ月で痛みや不調を改善した実例をもとに、体を根本から整える2つの習慣と手軽なワークを抜粋してご紹介しましょう。
監修:矢上 裕(矢上予防医学研究所所長/自力整体考案者/鍼灸師・整体治療家)
写真:榊智朗

冷たくて硬い体は不調の入口? 整体プロが教える「体を変える2つの習慣」

「あったかくて、柔らかい体」こそ、健康の土台

 自力整体で目指すのは、「あったかくて、柔らかい体」
 これこそが、健康と美しさの土台だと考えています。

 本来、人の体は赤ちゃんのように温かく、しなやかなもの
 一方で、冷たく硬くなった体は、不調や痛みが現れはじめたサインです。

 言い換えれば、体に備わった生命力が弱まっている状態とも言えるでしょう。

動いているのは「指先と目」だけ。体はほぼ停止状態

 ところが現代人の私たちは、長時間のパソコン作業やスマホの影響で、長時間ほとんど同じ姿勢のまま過ごしがち。

 動いているのは指先と目だけ
 体の大きな筋肉は使われず、筋肉はこわばり、関節は少しずつ固まっていきます。

 この状態が続けば、血液や水分の流れは悪化。肩コリや腰痛は慢性化し、やがてさまざまな不調につながっていきます。

体重75.7kgの40代女性を悩ませた「冷え×硬い体」

 自力整体の教室をはじめて訪れる方の多くは、体の冷えや硬さ、ゆがみを抱えています。
 しかし、自分でできる整体を学び、自宅でムリなく続けていくことで、不調が少しずつ改善していくケースは珍しくありません。

 書籍の執筆にあたり、体験モニターとして参加してくれたHさん(40代女性)も、その一人でした。

 スタート時のHさんの体は、まさに典型的な「冷たくて硬い体」。
 全身に常に力が入り、とくに上半身はガチガチの状態でした。

 めぐりの悪さから体重も増加。身長158cmに対し体重は75.7kgと、理想体重を大きく上回っていました。

 さらに、腱鞘炎、肩コリ、アトピー、便秘、冷え、むくみ、慢性的な疲労感など、不調は多岐にわたっていました。

 骨盤のゆがみも強く、あおむけで寝ることができません。
 股関節も硬く、ウォーキングをしても痛みで歩幅は極端に狭く、「歩き方がおかしいよ」と言われて悩んでいたのです。

3ヵ月で老廃物も脂肪もすっきり消えた「2つの習慣」

 Hさんには3ヵ月間、「体にたまった老廃物を流す」ことをテーマに、次の2つの習慣を重点的に取り組んでいただきました。

 ①硬い筋肉や関節をやわらかくほぐす
 ②内臓を休める食事法で内側から整える

①硬い筋肉や関節をやわらかくほぐす

 毎晩20分、自力整体で体をほぐすと、カチカチだった筋肉が少しずつゆるみ、「足先まで温かい血が流れていく」感覚を実感できるようになりました。

 継続することで、腱鞘炎や肩コリ、便秘、冷え、むくみ、慢性的な疲労感も次第に改善。

 なかでもHさん自身が最も驚いたのは、骨盤のゆがみが整い、あおむけで心地よく眠れるようになったことでした。

②内臓を休める食事法で内側から整える

 さらに停滞している腸の動きを活発にするために、「整食法」を取り入れました。

 これは、寝る3時間前までに夕食を済ませ、朝は固形物を控え、おかゆやスープで胃腸を休め、代謝力・排泄力を高める食事法です。

 すると、毎日自然な便意が起こるようになり、腸内の老廃物が排泄されるにつれて、アトピーのかゆみも軽減

 3ヵ月後には、体重も6.2kg減少し、むくみもとれて、見た目もすっきりと変化しました。

手軽に血流改善! 「股関節ほぐし」のワーク

 最後に、Hさんのように、「冷え」や「硬さ」によって代謝力・排泄力が落ちている方におすすめのワークをご紹介します。

「体にたまった老廃物を流す」ことをテーマにまとめた書籍『すっきり自力整体』に掲載している、手軽にできる股関節ほぐしです。

 股関節まわりの詰まりをやさしくゆるめることで、全身の血流が促され、冷えやこわばりの改善につながります
※根本から整えたい場合は、毎晩20分ほど、複数のワークを組み合わせておこなうのがおすすめです。

 実践方法は、次の画像を参考にしてください(※画像は『すっきり自力整体』より)。

冷たくて硬い体は不調の入口? 整体プロが教える「体を変える2つの習慣」

 ◎「股関節ほぐし」のワーク

【手順1】
 ◆ひざ立ちになり左脚を斜め45度前に出し、体の重心を前に移動。上下にバウンド。ももの付け根を伸ばし、「腸腰筋」をほぐす

 ※腸腰筋とは?:腰から脚の付け根の大きな筋肉

【手順2】
 ◆反対側も同様に

 ※硬い側は長めにおこなう

 時間に余裕のある日は、書籍『すっきり自力整体』で紹介している動画でわかる「20分ショートレッスン」で、全身をしっかり整えるのもおすすめです。

『すっきり自力整体』では、このほかにも整体プロの技法を応用したデトックスメソッドを多数掲載。老廃物の排出、コリや痛みの緩和、不定愁訴やゆがみの解消まで、自分でできる整体の実践法を紹介しています(★54分の動画付き)。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)
矢上予防医学研究所代表取締役
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見て、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』『すぐできる自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

自力整体オフィシャルウェブサイト
https://www.jirikiseitai.jp/

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)
矢上予防医学研究所設立者、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約400名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』『100歳でも痛くない 痛みが消える自力整体』(ともに新星出版社)など多数。自力整体の書籍は累計32冊、総発行部数は77万部を超える。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。
※自力整体は矢上裕の登録商標です。