「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「久しぶりにぐっすり眠れた」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の診断を受けたが、痛みが和らぎ手術を回避できた!」「健康的にダイエットできた」「更年期の不調が消えた」など、多くの声が寄せられています。
現在、国内・海外で約15,000名が実践。鍼灸、整体、ヨガを構成した動きで、痛み、コリ、冷え、疲労、不眠、便秘、不定愁訴を解消します。
今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた
『すぐできる自力整体』が発売。症状別の「悩み解決ワーク」のほか、じっくりほぐして骨盤調整もできる「4つのコース(動画つき)」を収録。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。
本書より一部を抜粋・編集し、その中身を紹介しましょう。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

寝る前にやってみて。一瞬でリラックスする「整体プロのほぐし技」

知ってると便利。いっきに血流改善するヒント

東洋医学では、「痛みを発する場所は『気』が滞っている。そこを流せば痛みは消える」と教わります。「気」とは、人間の体を動かすエネルギーのようなもの。「気」が低下すると、「血」「水」のめぐりも悪くなり、痛みや不調が発生するとされています。

「気」が流れる筋道は「経絡」(けいらく)と呼ばれ、全身に12本存在します。この経絡の流れが滞ると、そことつながる経絡上に不調が出ると考えます。この詰まりを押し流すには、経絡を刺激して、せき止められている流れを開放することです。これをおこなうのが自力整体です。

とくに2本の経絡が流れる小指はほぐしやすい場所。12本の経絡のうち「心経」「小腸経」の通り道。小指の経絡の刺激は、不眠や動悸、息切れ、後頭部の頭痛、四十肩・五十肩などの改善に役立ちます。小指の経絡刺激はオフィスや移動中もおこなえますし、寝る前におこなえばリラックスできて、いっきに血行もよくなり熟睡できます。

◎心経
心臓から始まり、手の小指に下りる。血液を作ったり、心臓から送り出された血液を流すのが特徴
心経の滞りで出やすい症状:動悸、息切れ、不眠、うつ、パニック障害など
◎小腸経
手の小指から始まり、腕を通って、側頭部へのぼる。食べ物から血液を作る役割を担う
小腸経の滞りで出やすい症状:後頭部の頭痛、四十肩・五十肩、ひじの痛み、中耳炎など

では、この「心経」「小腸経」を刺激して、血流やリンパの流れを改善するワークを紹介しましょう。気分を落ちつかせたい時も役立ちます。

寝る前にやってみて。一瞬でリラックスする「整体プロのほぐし技」矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗