社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。
Photo: Adobe Stock
感情を「ありのまま」に受け止める
前回、どうしても自分の強みを強みとして認められない人は、自分との信頼関係を結べていない可能性がある、そしてそれはひいては幼少時代に親との信頼関係が結べていなかった可能性があると書きました。
ここでは、大人になった自分が、自分との信頼関係を育む方法をお伝えしたいと思います。
これは、子どもが親との信頼関係を育む方法と同じです。
大人になった自分自身が、ポジティブな感情もネガティブな感情もありのままの自分を、親の代わりに受け止めることで、自分との信頼関係を育みます。
感情そのものは抑圧しなくていい
一見簡単ですが、実際にやるのは難しいことです。
「こんなことで怒ってはいけない」とか「褒められたくらいで浮かれてはいけない」など自分の感情を否定する人は多く、「感情をコントロールするのが大人」と思っていることさえあります。
しかし、この考え方は危険です。感情のコントロールとは、自分の本当の感情を抑圧することだからです。これでは、自分との信頼関係が結べません。
前にも述べたように、「感情の出し方」にはコントロールが必要ですが、感情そのものは抑圧しなくていいのです。
怒ったからといって勢いで殴ったり怒鳴り散らしたりはいけませんが、怒りを感じる自分を否定する必要はありません。
怒るということは、自分の大切な何かを傷つけられるようなことが起きたということ。これを否定したら、大切な何かを傷つけられることを、甘んじて受け入れることになってしまいます。
自分の感情を否定せず、全ての感情をいったん認めることが、自分との信頼関係を結ぶ鍵となります。怒る自分を否定するのではなく、「怒りたいくらい嫌なことがあったのだ」と受け止める。そのうえで、この気持ちはどうすれば相手に伝わるだろうかと考えて、実行する。
その場で適切な対応ができなかった場合は、あとで落ち着いたときに、「なぜ怒りを感じたのだろう」「どう対処すればよかったのだろう」と自分に問うて、次に同じようなことが起きたときに備えます。
このように、自分の感情を受け入れて、その上で対策を考えることで、自分との信頼関係を築いていきます。
「強み」も「弱み」も自分自身、と受け入れられるようになる
自分との信頼関係が結べると、弱みも含めたそのままの自分を受け入れられるようになります。すると「自分の強みを必要とする人がこの世にいる」と感じられ、逆に自分の強みを使わないことが世の中に申し訳ないとさえ思うようになります。
他者と比べるのではなく、自分の基準で自分を見られたり、時には失敗しても、それも含めて自分として認められたりできるようになったら、それが自分との信頼関係が育まれてきた証しです。
自分との信頼関係を結ぶために大きな鍵となる感情との向き合い方については慣れるまで練習が必要です。本書に記した4つのステップでやってみてください。
*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。




