社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

【「やりたいこと」がない人へ】自分の「感情」もわからなくなっていたら要注意!Photo: Adobe Stock

「感情」を殺さないと生きていけないほど疲れているのかも

ここまでで、やりたいことがない人が自分の「強みの種」に気づくための方法として自分自身の「感情」「身体感覚」「違和感」などを手掛かりに自分を観察することをおすすめしてきました。

ところが、自分の感情に自分で気づけず身体感覚もぼんやりしていて掴み取れず違和感も麻痺して感じられない、という方が時々いらっしゃいます。

こういう場合、感情を殺さないと生きていけないほど、心の奥底まで疲れ果てている可能性があります。

まずは休息をとることが先決です。

この本のことは一時的に忘れて、ひたすら眠ったり、自分が心地良いと感じることに時間を使ったりしてください。
自分ではそこまで疲れているつもりはなくても、感情や身体の反応を感じられないほどに、心が弱っているのかもしれません。

感情が感じられなくなる理由を理解する

感情が衰弱する理由は大きく2つあります。

1つは、激務等で疲れ果てていること。
寝不足が続いたり、強い緊張状態が続いたり、激しく強い感情の動きを経験したりすると、感情は衰弱して、何も感じられなくなります。

もう1つは、自分の感情を無視し続けてきたこと。
本当は嫌なのに我慢していたり、怒鳴られても平気なふりをしていたり、Aが好きなのに人に合わせてBが好きと言ってみたり、と自分の本心に逆らう言動を続けていると、感情は何かを感じることを止めてしまいます。

これは自分を守るための防衛反応でもあります。
もし、感情を感じられなくなっていると思ったら、ゆっくり休息をとり、「快」「不快」の感覚を意識するところから始めてください。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。