フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

前のモデルからまだ2年半しかたっていないのに、フルモデルチェンジを果たした三菱デリカミニ。新型ではマイルドハイブリッドをやめ、室内長は115mm伸びています。誰が見ても「早すぎる」フルモデルチェンジの真相は?燃費はよくなった?室内は広くなった?人気の軽ハイトワゴンがモデルチェンジでどう変わったのか、じっくり試乗してきました。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

「BMWの新型X3、ゴルフバッグ2つ積めます」というメールが編集部に届いた

 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 ……といきたいところなのですが、先日掲載したBMWの新型X3の記事“「さらに大きくなったのに…」BMW新型X3が、プリウスでも楽勝な「キャディバッグを横向きで積めない」根本的な理由”に対し、読者の方から編集部にメールをいただいたので、今回はヨタの代わりにその文章をご紹介する。

 まずは、頂いたメールをそのまま転載。実名は伏せ、読者Aさんとしておく。

「さらに大きくなったのに…」BMW新型X3が、プリウスでも楽勝な「キャディバッグを横向きで積めない」根本的な理由についてですが、新型G45から9.5インチのキャディバッグを横向きに2つ積んでゴルフに行っております。2つ以上は積んでいないのですが、3つ目も横向きに積めると思います。担当営業に本記事を見せたところ、G45でゴルフ用に検討しているお客様が、諦めるなど営業に支障が出る可能性もあるとのこと。再度確認の上、記事の訂正をお願いいたします。

■お名前(Aさん、実名略)
■メールアドレス(略)

 新型のX3を「G45」と表現されるあたり、かなり通の方とお見受けします。

 担当編集からAさんに「積載状態が分かる写真をご提供いただけますか」とお願いしたところ、すぐに返信があった。こちらも原文ママで転載する。

 お世話になっております。Aです。
 ご連絡頂きありがとうございます。
 早速ですが、2つ積んだ状態を撮っておりましたので写真を添付いたします。
 2つとも9.5インチで手前のマークアンドロナは友人の物ですので詳細は不明です。
 奥のテーラメイドも9.5インチで口枠数は下記をご参考になさってください。
 
 なお、テーラメイドの底の張りは写真を添付致します。直径は25センチほどです。
 後席は倒しておらず、2つとも完全に水平置きです。
 ただし、荷室の左にある窪みにネットが有りますが、それは下げる必要はあります。
 他にご不明点が有りましたらご連絡下さい。
 以上、よろしくお願いいたします。
新型X3の荷室に9.5型キャディバッグ2本を横方向に置いた状態新型X3の荷室に9.5型キャディバッグ2本を横方向に置いた状態。奥側のバッグのカバーは外しているように見えます(写真提供:Aさん)
奥側バッグの底面奥側バッグの底面。本人申告では「直径25センチほど」(写真提供:Aさん)

 ていねいな方ですね。この文章から、Aさんが単に記事に文句を付けたい、いわゆるクレーマーではないことが分かります。

 Aさんの写真を見る限り、少なくとも「後席を倒さず」「9.5インチ2本を横方向に置く」ことは、条件次第で成立しているように見えます。さらに「左の窪みのネットは下げる必要がある」と、成立条件まで具体的に書かれています。

 ならばこちらも同じ条件で確かめるのが筋というものです。

BMWに自前のゴルフバッグを持参して再検証してきた

 ということで早速翌日に私のバッグをBMWジャパンに持ち込んで、後席を倒さない条件で積載を再検証してきました。

 横積みで1セットは積める。これは間違いありません。

 しかし、私のバッグのサイズで2セットは絶対に積めませんでした。奥にもう1セット横済みにするのは不可能です。

1セットならこのように普通に積めます翌日、早速BMWに行ってきました。1セットならこのように積めます。しかし2セットとなると難しい Photo by Ferdinand Yamaguchi

 Aさんが言うところの「工夫」~カバーを外し、ドライバーを抜く~という“儀式”も試したが、それでも成立しなかった。

カバーを外し、ドライバーを抜く――という“儀式”も試したのですが……カバーを外し、ドライバーを抜く、という“儀式”も試したのですが…… Photo by F.Y.

 しかも現実にはもうひとつの制約があります。試乗車である、ということです。

 ラゲッジの内張りに養生もせず、壁面にゴリゴリ当てながら押し込むのはさすがにはばかられます。「入る/入らない」の理屈以前に、「気兼ねなくポンポン積めるかどうか」という実用の話です。

「フェルのバッグが大きすぎるんじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるだろうと考え、念のため、私のキャディバッグの底面もiPhoneのアプリで実測しました。

不肖フェルのキャディバッグ(今は亡き、ナイキゴルフ)底面不肖フェルのキャディバッグ(今は亡き、ナイキゴルフ)底面。iPhoneアプリで測って21cmだったが、外径22cm(実測) Photo by F.Y.

 写真の通り、底面の外径は22cm。今は亡きナイキゴルフの古いモデルで、最新のバッグではありませんが、決して特殊なものではありません。

 Aさんは「直径25センチほど」と書かれていたが、数字だけ見ればこちらのほうが小ぶりです。それでも2本は成立しない。つまり、ここは「9.5インチ」という名札だけで断じられる話ではない、ということです。底の張り、外周の硬さ、フード(カバー)を含めた全長、そして積み方の前提――そうした条件の積み重ねで結果は変わります。

 Aさんの条件では2本横積みが成立している。一方で、少なくともこちらの条件では1本は可、2本は不可である。従って「横積みが【絶対に】不可能」と断言するのも、「誰でも【楽勝で】2本積める」と断言するのも、どちらも乱暴です。

 そして日本で多い「乗り合いでゴルフに行き、後席を倒さず、複数本を横にポンと積みたい」という用途においては、すべての人が確実に2本積めるとは言えない。ここが本稿の論点です。

 ということで本編へと参りましょう。2025年10月にフルモデルチェンジした、三菱自動車「デリカミニ」の試乗記をお送りします。

三菱自動車「デリカミニ」(4WDモデル)三菱自動車「デリカミニ」(4WDモデル)