
軽自動車でホンダとスズキを取り上げたのであれば、ここはやはりダイハツも……ということで、今回はダイハツ「ムーヴ」の試乗記をお送りします。ダイハツにとっては久しぶりの新型車(理由は記事に)となるムーヴ。今年6月に発売されてすぐに売れまくっており、ここ数カ月は、軽自動車の販売台数トップ3の座をN-BOXやスペーシアと争っています。注目のムーヴの乗り心地はいかに?(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)
ポルシェ・カレラT、せっかく買ったのに乗ってない!
みなさまごきげんよう。
フェルディナント・ヤマグチでございます。
今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。
去年の9月に購入した、ポルシェのカレラT。購入から1年が経ちますが、オドメーターはわずか1000kmちょっと。月に100kmも走っていない計算になります。練習嫌いの市民ランナーだってもう少し走りますよね。
東京にいると平日はほとんどハイエースだし、空いている週末は試乗車がやってくるし、せっかく買ったポルシェに乗る機会がほとんどないんです。どげんかせんといけません。
そうだ。宮崎の家に置いておけばいいんだ。こちらにいるときは基本的にオフの時間ですから、思い立ったらすぐにドライブに行ける。日南の、海辺のワインディングまでわずか15分。サンライズを眺めながら走れるド直線の一ツ葉有料道路まではわずか3分。こんなにドライブに向いた場所はありません。ということで、宮崎神戸フェリーで宮崎港まで運ぶことにしました。
土曜日はスパルタンレースがあるので、東京を日曜日に出なければいけません。しかし日曜は渋滞が怖い。6時に出たら東名高速の綾瀬あたりで間違いなく大渋滞に巻き込まれます。5時には東京ICに入っておきたいところです。
神戸港を出るフェリーの出航時間は午後6時。伊勢道で渋滞に巻き込まれましたが、それでも昼すぎには神戸に着きました。まだ6時間もある。ゆっくりと昼食を取ってからサウナにでも入って時間を潰しましょう。

神戸港を望むサウナで時間を潰し、6時の出港を目指してフェリーに乗ります。車高が低いので乗り降りに気を遣いますが、誘導の方が親切に下を見てくださったので、安心して乗り込むことができました。

しかしこのフェリーは快適です。先ほどサウナに入ったばかりですが、もう一度風呂に浸かり、夕飯を食べて、一杯やって寝て起きたらもう宮崎です。

これから宮崎で、たっぷりドライブを楽しもうと思います。
それでは本編へまいりましょう。
11年ぶりにフルモデルチェンジが施された、ダイハツの軽ハイトワゴン、ムーヴの試乗記であります。
デビュー30周年!ダイハツ・ムーヴは軽ハイトワゴンのスタンダード
今回お送りするのは、当代取って7代目のダイハツ・ムーヴの試乗記である。

初代ムーヴの誕生は1995年。今年はデビュー30周年に当たる節目の年である。累計販売台数はおよそ340万台。国内限定という限られた市場にありながら、これだけの数を売ってきたのだからそれはそれは立派なものだ。ムーヴは軽ハイトワゴンのスタンダートとも呼べるクルマである。
フルモデルチェンジが施されるのは、実に11年ぶりのこと。この手のクルマにしてはモデルチェンジが異常に遅い。本当はもっと早く売ることができたのだが、めでたい30周年に合わせて発売のタイミングを遅らせていたのだ……と言いたいところだが、実情は違う。7代目ムーヴの発売は、今から2年前の2023年7月に向けて準備されていた。しかしその年に出すことができなくなる、「ある事情」があった。
他ならぬ検査不正問題の発覚である。