写真はイメージです Photo:PIXTA
1日5000〜7500歩の歩行が
アルツハイマー病から脳を守る?
アルツハイマー病に関連する初期の脳の変化を遅らせたい人は、毎日の歩数を増やすと良いかもしれない。300人近い高齢者を最大14年間追跡調査した研究で、アルツハイマー病の早期兆候とされるアミロイドβ(Aβ)のレベルがすでに高い人でも、身体活動を行っている人では、記憶力や思考力の低下が遅いことが示された。
このような身体活動の効果は、毎日の運動レベルが少量または中程度であっても認められ、1日の歩数が5000〜7500歩である人の思考力の低下率は、ほとんど活動していない人の半分程度であったという。米Mass General BrighamのWendy Yau氏らによるこの研究は、「Nature Medicine」に11月3日掲載された。
米国のアルツハイマー病患者数は現在約700万人とされるが、2060年までに倍増することが予想されている。現在、病気の進行を遅らせる薬としてレカネマブ(商品名レケンビ)とドナネマブ(商品名キスンラ)の2種類が利用可能だが、医師らは、進行を抑制する上では身体活動などの生活習慣が依然として重要であると述べている。
今回の研究では、米ハーバード加齢脳研究(Harvard Aging Brain Study;HABS)のデータを用い、認知機能の正常な高齢者296人を対象に、歩数計で測定した身体活動量がAβおよびタウタンパク質の蓄積速度の違いを介して、認知機能や日常生活機能の低下に関連するかを検討した。
認知機能は最長14年にわたって毎年、追跡調査された。







