あなたは、「仕事ができるようになりたい」と思ったことがありますか?
でも、「仕事ができる」とはいったい何を指すのでしょう。
プレゼンがうまいこと? 英語がペラペラなこと? AIを駆使すること?
……残念ながら、これらはすべて「仕事ができる人」の条件ではありません。
では、何をすれば「仕事ができる人」になれるのでしょうか?
3万人を分析して「できる人側」になる絶対ルールをまとめた書籍『仕事ができる人の頭のなか』(木暮太一著)より一部を抜粋・編集して公開します。
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突然ですが、問題です。
あなたの同僚が、資料を見て深刻そうに考えこんでいます。
あなたはどうしますか?
A. 「困ったことがあったらなんでも言ってね」と声をかける
B. 「どうしたの? 何か事情がありそうだね」と声をかける
C. 相手が相談してくれるまで待つ
仕事ができる人は「相手の事情」を聞く
仕事ができる人は「相手の事情」を聞きます。
たとえば、仕事で何かトラブルがあったとしましょう。そして、そのタスクを担当していたメンバーから状況を聞きます。このとき、現状がどうなっているのか、これから何をしなければいけないのかなどを確認しなければいけません。
これは「情報」です。まずは情報を聞き、整理してトラブルを解決しなければいけません。
そして、トラブルを解決できたら、次は再発防止に努めなければいけません。このときに「なぜトラブルが起きたのか?」「誰がミスをしたのか?」などの犯人探しが始まってしまうことがあります。
もちろん、経緯は確認しなければいけませんが、「犯人」を捜して「なぜミスをしたのか?」と問い詰めることは根本的な解決につながりません。
相手も自分がミスをした経緯を問われて「話を聞いてもらった」とは思えないでしょう。ミスをした当人は自分が悪いことを自覚しています。
そのため、ひたすら謝るしかできず、もしかしたらバツが悪くなって職場を去ってしまうかもしれません。
これでは相手の話を聞いたことにはなりません。
ぼくが新人のころ、本当にあり得ないミスを連発していました。そして、お客さんにも社内にも大きな迷惑をかけてしまいました。
当然ながら、ものすごく怒られ、問い詰められ、毎日多くの人に謝罪して回っていました。精神的にも追い詰められていたときに、ある方(Kさん)が声をかけてくれたんです。
「木暮、どうした? 焦っちゃったか」
この一言に本当に救われました。ミスをしたのはぼくが悪いです。でも、じつはこのとき、ぼくは他部署のミスをリカバリーしようとして「余計なこと」をやってしまっていたのです。
リカバリーせずに世に出すこともできましたが、なんとか修正しようとがんばりました。でもそれがうまくいかず、最後に手を付けたぼくの責任となりました。もちろんそれも含めてぼくの言い訳です。でも、ぼくにはぼくの考えと事情がありました。
それを聞いてくれたのはこのKさんだけだったんです。
「なんでも言ってね」は無意味なフレーズ
「悩みがあったらなんでも言ってね」は、表面的には優しいフレーズですが、実際にはほとんど意味がありません。
そう言われても、言いづらいものは言いづらいからです。
相手が言い出しにくいことを「なんでも言って」と待っていても、相手からは出てきません。さらには「何も言ってこないから悩みはないんだな」と判断してしまうのは最悪です。
仕事ができる人は、相手から何も出てこなくても、自分から聞いています。
もちろん「思っていることがあるなら、はっきり言えよ」とプレッシャーを与えるような聞き方ではありません。
そうではなく「何か事情がありそうだね」と問いかけています。
つまり、冒頭の問いの答えは
B. 「どうしたの? 何か事情がありそうだね」と声をかける
です。
こう問いかけることで、相手は「自分の事情」を話すことができます。
相手の話を聞く重要性が語られるのは、それだけ話を聞くことが難しいからです。
裏を返せば、相手が話をすることが難しいからです。
単なる情報はお互いに説明できます。でも、自分の事情を話すのは難しいです。それを聞いてあげられる人が仕事ができる人なのです。







