会社やチームのリーダーとして、いま、求められているリーダーシップとはなんでしょうか?
責任をとること? 部下やメンバーの話をよく聞いて、仲を深めることでしょうか?
『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』の著者である木暮太一氏は、リーダーのすべきことは「言語化」であると言います。
本記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「いま、リーダーに必要なスキル」についてご紹介します。

「部下に自分で考えさせる」はリーダー失格。いま、リーダーに必要なスキルとは?Photo: Adobe Stock

仕事では「言語化」が必要不可欠

 ビジネスでは何事も言語化して明確にすることが必要不可欠です。自分の考えを言語化し、自分がしている指示を言語化できれば、組織は驚くほど活性化されていきます。そしてビジネスで言語化が必要な要素は、大きく分けて3つです。

 それは、ビジョン・アクション・コミュニケーションです。

 まず、ビジョンが言語化されていることが重要です。新規事業を立ち上げるにしても、ビジョンが明確化され、言語化されていなければ会社が進む方向性が定まりません。その結果、「なんかよさそうな事業」に飛びつき、一貫性がない何でも屋になってしまうでしょう。

 2つ目の要素はアクションの言語化です。仮にゴールが明確だったとしても、そこに向かうためのアクションが不明確だったら、相当な試行錯誤が必要になります。ジャングルの中でゴールだけ示されて、「頑張ってたどり着こう!」とメンバーを鼓舞してもいい結果は望めません。何をすればそこまでたどり着けるかがわからないからです。仮に、結果的にたどり着けたとしても、相当な回り道をしていることでしょう。アクション(何をするか)を言語化する必要がありますね。

 そして3つ目が、コミュニケーションの言語化です。これは、日々のやり取りでお互いが考えていることを明確に言葉で表現しなければいけないという意味です。仕事は一人でするわけではありません。メンバー同士の意識を合わせたり、考えていることをすり合わせたりする必要があります。とるべきアクションが言語化されていても、アクションを遂行する中でいろんなことを明確にしていかなければなりません。

 これらの3つの要素が言語化されれば、ゴールが明確になり、やるべきことが明確になり、お互いに認識や意見を明確にそろえながら仕事を進めていくことができます。

 もちろん、すべてのメンバーがこれら3つを言語化する能力を持っていればベストですが、組織の役割・職務として言語化を担当することで、組織運営を円滑に進めることができます。