2つ目の状況では、飼い主は、犬には一切話しかけることなく、別の人とおもちゃの名前を含む会話を1分間行い、それを犬が見ているようにした。その後は1つ目の状況と同じ遊びを行わせた。
それぞれの状況でおもちゃは2種類使用し、犬が1つのおもちゃの名前を耳にする時間は合計8分間だった。
その後、12日目に、犬が学習したおもちゃの名前を理解しているかを確認するテストを行った。具体的には、別室におもちゃを置き、「テディを持ってきて」のように指示を出し、正確に持って来ることができるかがテストされた。
その結果、犬は、直接教えられた場合とほぼ同程度に、立ち聞きした会話からもおもちゃの名前を学習していたことが示された。
第2の実験では、さらに興味深い結果が得られた。この実験では、飼い主がおもちゃを犬に1分間見せた後、それをバケツの中に入れ、犬に見えないようにした上でバケツと犬の目を交互に見ながら「これは○○、これがほしい?」と話しかけた。
複数の異なるメカニズムを
柔軟に使えることを示唆している
この課題は、犬が自分の目の前にないものの名前を覚えなければならないという点でより難易度が高かったが、多くの犬が正しくおもちゃの名前を学習し、指示されると適切な物を持って来ることに成功した。
論文の上席著者であるエトヴェシュ・ロラーンド大学のClaudia Fugazza氏は、「これらの結果は、GWL犬が新しい物体の名前を学習する際に、複数の異なるメカニズムを柔軟に使えることを示唆している」と述べている。
研究グループは、この研究結果は、立ち聞きから学習する能力が、人間の言語に固有のものではなく、種を超えて共有されているメカニズムに依存している可能性があることを示唆しているとの見方を示している。
Dror氏らによると、GWL犬は極めてまれであるという。2021年の先行研究で同氏らは、おもちゃの名前を覚えている犬を世界中で探したが、見つかったのはわずか6匹だったという。
「これらの犬は、人類が言語を発達させることを可能にした認知能力の一部を探るための、極めて貴重なモデルだ。しかし、全ての犬がこのように学習できると言っているわけではない。むしろそれができる犬はまれだ」と述べている。
なお、本研究は、「ジーニアス・ドッグ・チャレンジ(Genius Dog Challenge)」と呼ばれる研究プロジェクトの一環として実施された。このプロジェクトは、GWL犬の特異な能力を理解することを目的としている。(HealthDay News 2026年1月9日)
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