個人投資家の間で大きな支持を集めるのが『株トレ』シリーズです。シリーズ第2弾の『株トレ ファンダメンタルズ編』では、60題のクイズを通じて「業績や財務の読み方」を学べます。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株のプロが教える「買っていい株、買ってはダメな株」を見極める1つの視点Photo: Adobe Stock

経営の実態をざっくりと把握する

 窪田さんは、個人投資家にとって大切なことを次のように語っています。

投資家として大切なことは、企業が発表する決算の全体像をざっくりとらえる力を持つことです」(『株トレ ファンダメンタルズ編』)

 決算の中から、経営の実態を把握するために欠かせないのが、キャッシュフロー(CF)の確認です。

 キャッシュフローを見れば、

・本業で稼げているのか
・借金に頼っていないか
・成長のために投資しているのか

 といった点が、シンプルに見えてきます。

 ここで、単純化した例を見てみましょう。

 次のA社~F社のトータルキャッシュフローは同じです。

 しかし、キャッシュフローの内訳を見ると、企業の経営実態や戦略は大きく異なります。

 それぞれの会社は、次の①~⑥のどの経営戦略に当てはまるでしょうか。

株のプロが教える「買っていい株、買ってはダメな株」を見極める1つの視点

①資金繰り対策:本業で失ったキャッシュを、資産売却と借金で得たキャッシュで穴埋め

②財務内容改善:本業で稼いだキャッシュと資産売却で得たキャッシュで、借金を返済

③事業のリストラ:資産売却で得たキャッシュを使って本業で失ったキャッシュを穴埋めしつつ、借金を返済

④成長志向:本業で稼いだキャッシュと、借金で得たキャッシュで、設備投資を実施

⑤堅実経営:本業で稼いだキャッシュで、設備投資をしながら、借金も返済

⑥借金頼み:借金を増やして得たキャッシュで、本業で失ったキャッシュを穴埋めしつつ、設備投資も実施

正解は次の通りです

株のプロが教える「買っていい株、買ってはダメな株」を見極める1つの視点
株のプロが教える「買っていい株、買ってはダメな株」を見極める1つの視点

 もしあなたが、上の6社にお金を貸している立場だったとしたら、「貸したお金が返ってこないリスクが高そうだ」と感じるのは、どの会社でしょうか。

 注目すべきポイントは、営業CFです。営業CFがマイナスということは、本業でキャッシュを生み出せていないことを意味します。

 D社、E社、F社はいずれも営業CFがマイナスで、本業でキャッシュを減らしています。これが一時的なものであれば大きな問題はありませんが、何期も続くようであれば、原因を見極める必要があります。