高級品メーカーの経営者なら誰でも欲しがるものを実際に持っているのは、一握りのブランドだけだ。それは不況期を乗り切るための商品購入待ちの顧客リストだ。しかし、高級品のリセールバリュー(転売価格)をみれば、エルメスのハンドバッグ「バーキン」やロレックスの腕時計のような希少な商品でも、以前のように多くの客を引き込んでいないことが分かる。高級品メーカーが意図的に市場の需要より生産を少なくするという、希少性を基盤としたビジネスモデルは、宝の山になり得る。イタリアのフェラーリとドイツのポルシェの自動車メーカー2社を例に取ろう。ミラノ市場に上場しているフェラーリの時価総額は現在の為替レートで596億ドル(約9兆2000億円)に相当し、ポルシェのそれは454億ドル相当だ。フェラーリの出荷台数が年間1万5000台未満なのに対し、ポルシェの出荷台数は30万台を超える。市場を供給不足状態にし、大富豪を相手にしているため、フェラーリは限定モデルの車に何百万ドルも請求することができる。一方、ポルシェはもっと安い値段でずっと大量の車を売らなければならない。
短くなる「バーキン」「ロレックス」の購入待ちリスト
転売価格下落が示す、世界で最も人気のある高級品の需要鈍化
特集
あなたにおすすめ




