『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「初任給30万円」に飛びつく新卒が見落としている、たった1つの視点について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。
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初任給が高い=良い会社ではない
最近は「初任給30万円」「初年度年収500万円超」といった企業が増え、就活生の間でも初任給の高さが大きな判断材料になっています。確かに、社会人になる瞬間の給料が高いのは魅力的ですし、不安が軽くなるのも事実でしょう。
ただ、人事や若手社員の話を聞いていると、初任給の高さだけで会社を判断してしまう就活生は意外と多いと感じます。
初任給はあくまでスタート地点にすぎませんが、就活の段階では「今もらえる金額」が一番わかりやすいため、どうしても目が行ってしまうのです。
しかし、本当に見るべきなのは、その金額が「一時的なものなのか」「長期的に積み上がっていくものなのか」という点です。
初任給は高くてもそこからの昇給が少ない可能性がある
初任給を大きく引き上げている企業の中には、昇給幅が小さいケースもあります。最初に多めに支払う一方で、その後の給料がなかなか上がらない構造になっている場合です。
例えば、入社1年目と5年目の給料差がほとんどない、評価制度が曖昧で昇給の基準が見えない、といった話は珍しくありません。就活生の立場では初任給の数字しか見えませんが、数年後に「思ったより増えない」と気づく人も多いのです。
給料は「最初に高いかどうか」よりも、「どう増えていくか」を見なければ、正しい判断はできません。
高い初任給を恨む先輩社員たちの存在
もう一つ、あまり語られない視点があります。それが、初任給引き上げを複雑な気持ちで見ている先輩社員の存在です。
数年前に低い初任給で入社した先輩からすると、後輩だけが条件良く入ってくる状況に不満を抱くこともあります。その結果、職場の空気がギスギスしたり、育成に熱が入りにくくなったりするケースも実際にあります。
もちろんすべての会社がそうではありませんが、初任給を上げることで社内のバランスが崩れてしまう例があるのも事実です。働きやすさは給料の数字だけで決まるものではありません。
初任給は大切な判断材料の一つですが、それだけで会社の良し悪しは決まりません。
「この金額は、将来的に上がるのだろうか?」と一度立ち止まって考えてみると、企業の見え方が少し変わるはずです。








